2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ素構造体の動的階層構造を電位で可逆制御することによる界面機能化
Project/Area Number |
16350077
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
相樂 隆正 長崎大学, 工学部, 教授 (20192594)
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Keywords | 超薄膜 / ナノ材料 / 表面・界面物性 / デンドリマー / 金属ナノ粒子 / 電極表面 / ダイナミクス / 相転移 |
Research Abstract |
1.ナノ素構造体の電極表面での動的構造変化を確実に把握するためには、巨大分子の吸着配向をin situに確実にモニターすることが必須である。そのため、モデル系としてヘム蛋白(チトクロムc)を用い、自己組織化単分子膜上にサブモノレーヤーで固定化した状態の配向を、紫外・可視反射分光法で把握する測定法と解析法を確立することに成功した。すなわち、平面偏光入射した可視光の電位変調下での反射率変化を入射角の関数として測定し、その結果を、縮重が解けた2つの直交遷移モーメントを考慮した新しいモデルで解析することにより、正確なヘム配向の見積りが可能になった。 2.階層性のあるマルチプルな分子間相互作用を示す分子の二次元相転移は、電位駆動した可逆制御の典型系である。HOPG電極上での単成分および二成分混合系の動的相転移を詳細に追跡した。その結果、強い相互作用モードが複数存在することは、より固い凝縮膜の生成を導く一方で、準安定中間相の生成や速度論の点で不利であることがわかった。また、動的過程を通じた相分離が起こる過程を把握することに成功した。 3.アルカンチオールのみで表面修飾したAuナノ粒子の電位駆動挙動をAu(111)電極で追跡した。鎖長依存性や展開量依存性が明らかになった。また、末端吸着活性基の重要性が指摘された。 4.蛍光性半導体ナノ粒子を合成し、長鎖アルカン液体や長鎖アルコールの電位応答に誘導された挙動の追跡を試みて予備的成果を得た。また、この系では粒子自身の酸化還元が可逆であることがわかった。 5.ハンギングメニスカス配置のAu(111)表面で起こる液体アルカンの電位応答挙動を、色素プローブを用いて蛍光顕微動画イメージングすることに成功した。特に、電気化学的にはサイレントでありながら、電極表面から数10nm以上はなれた地点での液滴変化の存在を初めて明らかにすることができた。
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Research Products
(5 results)