2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16350086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
早川 芳宏 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50022702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 眞幸 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (10362295)
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Keywords | アミダイト法 / ヌクレオチド / カルボン酸 / 促進剤 |
Research Abstract |
アミダイト法によるヌクレオチド合成の鍵反応である、ヌクレオシドホスホロアミダイトとヌクレオシドの縮合反応の促進剤として、種々のカルボン酸の有用性を検討した。さらに、新規に促進剤を開発する場合、その指針となるべき、候補物質の反応溶媒(アセトニトリル)中でのカルボン酸の酸性度(pKa)と反応性の相関性を、カルボン酸を用いて調べた。 上記縮合反応の促進剤にはこれまで1H-テトラゾール、強酸・アゾール複合体など種々の酸性物質が用いられてきたが、これらの使用は経済性、化学的・生物的安全性、入手の簡便性などに、欠点があった。今回、これらの欠点を除くあるいは改善できる促進剤として、カルボン酸の使用を検討し、アセトニトリル中で18以下のpKa値を有するカルボン酸類が一般にヌクレオシドホスホロアミダイト反応の促進剤に成りうること、またその中でもpKa値が16.5以下のカルボン酸、例えばジクロロ酢酸(pKa=10.6)、トリフロロ酢酸(pKa=12.7)、ジクロロ酢酸(pKa=15.8)、2,4-ジニトロ安息香酸(pKa=16.1)はとくに反応性が高いことを見出した。その反応性は汎用される1H-テトラゾールに比べてはるかに優れる。本研究では、あわせて、促進剤の反応溶媒中の酸性度と促進能力の関係を定量的に調べたが、このような研究はこれまでなされたことがない、初めての例である。本研究で得られた結果は、異なる反応性をもつ種々のアミダイトに対する最適な促進剤の選択や、新規促進剤開発における同剤の促進能力の予測を可能にするため、今後も核酸化学合成においては主役の座を譲ることが無いと言われているアミダイト法の更なる発展を及ぼすものと言える。
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Research Products
(7 results)