2005 Fiscal Year Annual Research Report
グリコウイルスとシグナル増幅プローブを用いる細胞内遺伝子マニピュレーション
Project/Area Number |
16350087
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青山 安宏 京都大学, 工学研究科, 教授 (00038093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山東 信介 京都大学, 工学研究科, 助手 (20346084)
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Keywords | 遺伝子運搬 / セラソーム / 遺伝子検出 / リポレギュレータ / siRNA / シグナル増幅 / DNA / RNA / リポソーム |
Research Abstract |
遺伝子のマニピュレーションと運搬に関し、最終(17年度)年度は以下の課題に取り組み、下記の成果を得た。 1.新しいsiRNA送達剤の開発:脂質を束ねた構造を有する大環状のオクタアミンが従来例のないコンパクトな遺伝子/siRNAの運搬体になりえること、およびその理由として、オクタアミンが曲率のために大きなベシクル(リポソーム)ではなく安定化されたミセルを形成することを明らかにした。 2.伝子運搬としてのセラソームの開発:リポソーム(脂質の2分子膜集合体)は核酸(DNAやRNA)との相互作用により容易に融合(fusion)し、遺伝子運搬体としては不適な巨大な複合体を形成する。これを避けるために表面をセラミック(シリカ)被覆で強化したリポソーム(セラソーム)を用いる遺伝子運搬を検討し、セラソームがDNA(プラスミドDNA)やsiRNAとの相互作用において融合せず、従って元のウイルスサイズ(60-70nm)を維持した優れたキャリアであるとともに、毒性も極めて軽微であることが判明した。 3.DNA/RNAをプローブとする触媒的遺伝子検出法の開発:標的RNAの存在により(レポーター)タンパク翻訳のオン/オフ制御が可能なmRNAプローブおよびそれをコードしたDNAを用いることにより、2重にシグナル増幅が可能な遺伝子検出システムを開発した。さらに、標的のRNAとプローブDNAとのハイブリッド二重鎖に特異的なRNA加水分解酵素(RNase H)を共存させると、非可逆的な翻訳系の活性化により、遺伝子の検出感度が大幅に向上することを見出した。
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Research Products
(4 results)