2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子の一塩基多型(SNP)の効率的検出手法の開発研究
Project/Area Number |
16350090
|
Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
小野 晶 神奈川大学, 工学部, 教授 (10183253)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 洋子 首都大学東京, 都市教養学部, 助手 (40244412)
田代 充 明星大学, 理工学部, 助教授 (40315750)
市村 徹 首都大学東京, 都市教養学部, 准教授 (50213012)
|
Keywords | SNP / 一塩基多型 / DNA / 水銀イオン / 銀イオン |
Research Abstract |
人遺伝子の全塩基配列解析が完了した現在、ゲノム研究は解析研究から応用研究へと大きく梶を取りつつある。「テーラーメード医療」(各患者の遺伝子型を特定し、その型に最適の医療を施す)は、現在、大きな注目を集めている応用研究の一つである。その実現には遺伝子型を分類し、遺伝子型と疾患を関連付けるという膨大な作業を遂行する必要がある。遺伝子型の分類作業をマッピングと呼ぶ。マッピングには遺伝子上の目印(マーカー)を必要とするが、一塩基多型(SNP)は、現在、最も注目されているマーカーである。本研究の目的は、「DNA中のミスペアー塩基対が特定の金属イオンと高選択的に結合する」という現象を利用してSNPタイピング手法の効率を向上させることにあり、合成モデルDNAを用いて基盤技術を確立することが17年度の目標であった。代表者らは、天然のDNAには見られないピリミジン-ピリミジン塩基対に金属イオンが高選択的に結合すること、即ち、チミン-チミンペアに水銀イオン、シトシン-シトシンペアに銀イオンが結合してDNA二本鎖構造を安定化することを発見した。この現象をSNPのタイピングに利用すべく、モデル合成DNA二本鎖を用いて、金属イオン9の添加によるDNA二本鎖の安定性の増加を、熱変性法及び滴定型熱量測定法により解析した(Nucleic Acids Symposium Series (2005)49,217)。また、T-Hg-T塩基対の構造を高分解能NMR法(Nucleic Acids Symposium Series (2005)49,199)及びAb initio calculation法(Nucleic Acids Symposium Series (2005)49,215)により解析した。さらに有毒な水銀イオンの代わりに毒性の低い金属イオンを利用する手法を開発する目的で、合成ピリミジンアナログを含むDNAと金属イオンの相互作用を検討し、銅イオン、ニッケルイオンが選択的に結合するピリミジンアナログを見出した(Nucleic Acids Symposium Series (2005)49,161)。
|
Research Products
(1 results)