2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16350105
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
谷口 尚 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 主席研究員 (80354413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 賢司 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 主任研究員 (20343840)
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Keywords | 六方晶窒化ホウ素単結晶 / 直接遷移型ワイドバンドギャップ紫外線発光素子 / カソードルミネッセンス / 高圧下温度差法 / 希土類添加によるカラーセンター |
Research Abstract |
波長200nm近傍の新規高輝度深紫外線発光素子材料開発は、情報記録分野、殺菌等による環境保全等の需要に向けて重要な課題である。本研究課題では、近年本研究代表者らにより見出された六方晶窒化ホウ素(hBN)単結晶の深紫外線発光素子としての機能を引き出すべく、高純度結晶の創製と、その光物性を明らかにすることを目的としている。 高純度hBN単結晶はアルカリ土類金属のホウ窒化物を溶媒とした、高圧下温度差法により2〜5万気圧,1400〜1700℃の圧力・温度範囲で、40〜120時間の育成時間で合成した。回収した試料は酸処理により洗浄し、カソードルミネッセンス、フォトルミネッセンス等の観測、光吸収測定、SIMS不純物分析等により評価した。 平成17年度の主たる成果を以下に記す。 (1)平成16年度に引き続きhBN単結晶の高圧合成条件を吟味し、バンド端の発光挙動を呈する高純度結晶の合成条件を明らかにするとともに、特に結晶の紫外線(UV)発光特性に及ぼす酸素、炭素不純物の影響を明らかにした。 (2)高純度hBN単結晶のUV発光特性は結晶内の積層欠陥により顕著な影響を受けることを新たに見出した。 (3)hBN結晶の半導体化を実現することは、発光デバイスとしての高効率化を目指す上で極めて重要な課題である。 半導体化のためのドーピングの一環として、3000℃領域の高温度域における炭素の拡散実験を行った。 高純度結晶に1000ppm程度の炭素ドープを実現したが、結晶の電気抵抗は高く、理論的予測と調和的な結果となった。 一方、希土類添加による効果では、明瞭な発光センターの導入が認められた。すなわち、CeF_3を溶媒中に添加することによりhBN単結晶中に明瞭なCe:3価の発光中心が形成された。hBN中への意図的なドーピングによる機能発現としては初めての例と云える。 (4)hBNの高圧相であるcBNへのドーピングによる機能発現も、BNの物理的特性を理解する上で意義のある課題である。Eu,Tb,Sm等の添加によりcBN中へのカラーセンター(それぞれの3価イオン)の導入が確認された。
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Research Products
(7 results)