2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16350108
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 淳夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (30359690)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 了次 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (90135426)
園山 範之 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (50272696)
|
Keywords | リチウム / 電池 / 鉄 / オリピン / 結晶構造 / 正極 |
Research Abstract |
Li_xFePO_4における充放電機構は、これまでLiFePO_4-FePO_4の2相反応として記述されてきた。しかし、このような反応モデルでは、粒子内の電荷移動は2相の界面に限定されるため、スムースな充放電反応が起こるとは考えにくい。本年度の研究において、実際はこのような単純な反応形式ではなく、室温においてα<x<1-βの領域にMiscibility Gapを有し、その外側に二つの固溶領域0<x<α,1-β<x<1が存在する、スピノーダル型分解過程として理解できることを突き止めた。 室温付近における固溶領域の存在は、電池反応時の固体内電荷移動の頻度因子と密接に関連する。つまり、2価3価の混合原子価状態やリチウムの部分欠損・部分占有により、ポーラロンやリチウムイオンのホッピング確率が大きく向上すると考えられる。従って、α,βの値は電極活性のバロメータとして有効であると同時に、これらの値を大きくする、すなわち固溶領域を広げるための材料設計の重要性が示唆される。 固溶領域を配置エントロピー変化に伴う熱流束によって簡便に検出することに成功しつつあり、それらの結果によれば粒子径が大きいほどエントロピー異常は観測されなくなる。つまり、固溶領域の幅は粒子径に強く依存する。このことは、これまで報告されてきた微粒子化による特性向上には、拡散パスの短縮や界面反応の効率化のみならず、バルク内キャリア濃度の向上やホッピング確率の向上という側面も有していることを示唆する。すなわち、粒子径を相関係に対する影響因子としても認識する必要がある。
|
Research Products
(5 results)