2004 Fiscal Year Annual Research Report
新しい微粒子表面均一修飾法(バレルスパッタリング法)の開発とその応用
Project/Area Number |
16350112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
阿部 孝之 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 教授 (90241546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波田野 雄治 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 助教授 (80218487)
原 正憲 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 助手 (00334714)
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Keywords | 粉体 / 表面修飾 / 機能性微粒子 / バレルスパッタリング / 水素吸蔵合金 |
Research Abstract |
重要かつ有用な材料である「粉体」の機能化の方法として、粉体表面修飾が非常に有効である。しかし、現時点で利用されている表面修飾法には様々な制約(被修飾物、均一性、処理量等)があり、広く利用されるに至っていない。そこで、用いる粉体の種類(材料、サイズ)に制約を受けない新規な粉体表面修飾手法・装置を開発・改良すると共に、その手法・装置を用いた新しい機能性粉体(あるいは機能性微粒子)の構築を目的とした研究を行った。 まず、新規表面修飾装置であるバレルスパッタリング法の適応範囲を検討する為、高分子、イオン結晶粉体微粒子への金属修飾を試み、その修飾形態を調べた。結果として、使用した粉体では微粒子の形状を変化させることなく薄膜形態で金属修飾できる事がわかった。一方、修飾物質については、金属の他、反応性スパッタリングによる酸化物の修飾、また複合ターゲットによる任意組成での合金修飾に成功した。 次に、バレルスパッタリング装置に新たに振動機構(物理的に粉体凝集・付着を防止)、加熱機構(水分除去により吸着を防止)を組み込み、性能評価を行った。結果、粒径1μmまでの粉体について、バレル壁面への粉体付着及び粉体同士の凝集を防止できた。しかし、粒径1μm以下の粉体については、付着・凝集を完全に抑えることができず、今後更なる装置の改良が必要である。また、加熱機構により、修飾膜の構造制御(結晶化、結晶構造変化)も可能であることがわかった。 上記装置を用いた機能性微粒子の調製についても検討した。今年度はPdの表面修飾による水素吸蔵合金の被毒防止効果の検討を行った。Pd被覆ZrNi試料の吸収特性、耐被毒性を評価したところ、被覆していない試料と比較して、大気下での耐性が十分に大きいことが明らかとなった。その他、導電性微粒子の調製についても予備的検討を行い、金属修飾高分子粉体において電気伝導性を確認した。
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Research Products
(1 results)