2006 Fiscal Year Annual Research Report
刺激応答性を有する有機無機ハイブリッド分離膜の創成に関する研究
Project/Area Number |
16350115
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
矢澤 哲夫 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50347522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遊佐 真一 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00301432)
神 哲郎 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門, 研究員 (30357248)
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Keywords | 多孔質ガラス / 分相 / 分離膜 / 有機無機ナノハイブリッド / 刺激応答性 / pH応答性 / 温度応答性 / 光応答性 |
Research Abstract |
刺激応答性有機-無機ハイブリッド創成のため、刺激応答性の有機物である刺激応答性ポリマーの精密合成と刺激応答挙動に関する研究を行った。その結果、ポリマの精密合成の方法として、さまざまな官能基を含むモノマーをリビング的に重合可能な可逆的付加-開裂連鎖移動(RAFT)型ラジカル重合法を用いることで、pH、イオン強度、温度などに応答性を示すポリマーの精密合成が可能であことを確認した。以上の知見をもとにして、多孔質ガラス表面上での刺激応答性ポリマーのグラフト重合を行い、刺激応答性有機-無機ハイブリッド膜を作成した。多孔質ガラスの表面に塩化金酸の還元によって金微粒子をコーティングし、金微粒子と極めて反応性の高いチオールを有するアゾベンゼン(HS-(CH2)2-COHN-ph-N=N-ph)を合成し、これを金修飾多孔質ガラス表面へ導入した。結果、11-[4-[(4'-ヘクシルフェニル)アゾ]フェノキシ]ウンデカン酸(6Az10COOH)で改質した場合、多孔質ガラス表面の改質量は多孔質ガラス1g当たり0.2mmolであった。一方で本方法によるチオール基アゾベンゼン誘導体の改質量は0.4mmolまで増大した。さらに、6Az10COOH改質膜による窒素透過特性では、紫外線の照射非照射によって完全な気体透過のON-OFFが実現できなかったが、本方法で初めて刺激光照射非照射によって気体透過ON-OFFのスイッチングが実現できた。また、多孔質ガラス表面に連鎖移動剤を化学結合により導入した。この多孔質ガラスを使用して、可逆的付加-開裂連鎖移動(RAFT)型のリビングラジカル重合を行うことで、温度に応答してコンホメーションの大きく変化するポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)のグラフトを行った。PNIPAMをグラフトできたことを熱重量分析により確認した。PNIPAMをグラフトした多孔質ガラスは25℃で細孔のゲートが水和したポリマー鎖により封鎖され、物質の透過を抑制するが、40℃でポリマー鎖が脱水和を起こして収縮するため、細孔ゲートが開き、物質の透過が可能となることを、ベンジルアルコールを使用した水中での透過実験により確認した。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Effects of Polyelectrolyte Chain Stiffness, Charge Mobility, and Charge Sequences on Binding to Proteins and Micelles2006
Author(s)
Cooper, C.L, Goulding, A, Kayitmazer, a.B, Ulrich, S, Stoll, S, Turksen, S, Yusa.S, Kumar, A, Dubin, P.L.
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Journal Title
Biomacromolecues 7
Pages: 1025-1035
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[Book] 最新 添加剤全集2006
Author(s)
矢澤哲夫(分担)
Total Pages
562
Publisher
技術情報協会
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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