2004 Fiscal Year Annual Research Report
無秩序-秩序構造変化にともなう焼結促進効果に関する研究
Project/Area Number |
16350116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
大柳 満之 龍谷大学, 理工学部, 教授 (30213888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中沖 隆彦 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (90257824)
青井 芳史 龍谷大学, 理工学部, 講師 (70298735)
中野 裕美 龍谷大学, 理工学部, 実験講師 (00319500)
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Keywords | 炭化ケイ素 / ナノ構造 / メカノケミカル反応 / 放電プラズマ焼結 / 一次元積層無秩序構造 / パルス通電 |
Research Abstract |
本年度研究項目である以下の2項目について研究を遂行した。 1)焼結プロセスにおいて、一次元積層無秩序構造を有するSiCのメカニカル合成粉の秩序化(結晶化)・粒成長と焼結が協奏的に起こるのか、或いはどちらかが優先して起こるのかを明らかにする。 2)遊星ボールミルにより、メカニカルアロイ粉に投入したエネルギーが、パルス通電法による緻密化焼結に与える影響を昇温速度、焼結温度、時間、印加荷重、パルス幅をパラメータに調べる。 上記の項目に従い、SiC結晶に基づくX線回析ピークの積分強度、半値幅などを利用し、各焼結パラメータに対して比較し、焼結にともなうSiCの結晶化挙動と緻密化がどのように起こっているのかを調べた。その結果、初期(メカニカル合成粉)は10nm以下であった粒子径が、密度99.5%到達時に平均50nm程度の粒子径にまで上昇することを確認した。この変遷は密度の急激な変化と良く対応しており、焼結と構造の秩序化・粒成長は協奏的に進行するもと考えられる。また、遊星型ボールミルによって投入したエネルギーが、メカニカルアロイ粉の合成及びパルス通電焼結による焼結に与える影響を調べた。その結果、SiCメカニカルアロイ粉末は、一定の投入エネルギー条件以上で生成することを確認した。この投入エネルギーが少ない場合、未反応SiとCが残留し、未反応SiとCから生成したSiCが低温で焼結体の骨格を形成して緻密化を阻害した。したがって、メカニカルアロイ粉への投入エネルギーは、Si-C反応率を介して焼結過程に影響を与えると言える。更に、焼結温度・時間,印加荷重,昇温速度等について検討した結果、前者3パラメータについては、従来の焼結と同様に並行的に密度の上昇を確認することができたが、昇温速度については相反する傾向を示した。これは、昇温速度をSiCの構造秩序化が追従できる程度にする必要性を示唆していた。
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Research Products
(4 results)