2005 Fiscal Year Annual Research Report
針葉樹由来木タールの炭素繊維化における炭化温度と繊維構造との関係
Project/Area Number |
16350118
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 孝 北見工業大学, 工学部, 教授 (40166955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 和幸 北見工業大学, 工学部, 助手 (20333669)
瓜生 敏之 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (80011005)
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Keywords | 再生産可能 / 針葉樹 / 広葉樹 / バイオマス / 炭素繊維 / 木タール |
Research Abstract |
再生産可能な森林資源の有効活用技術の開発は、持続的な環境保全型社会の発展にとって重要である。私どもはこれまでに森林産業から出る木タールに注目し、ピッチ化後に繊維化、焼成することで炭素繊維が製造可能であることを報告してきた。この過程で木タールピッチを粉末として焼成すると高い導電性を示すことを見出した。導電性を持つ炭素材料は、キャパシタやリチウム電池、燃料電池などの負極用電極として使われ、炭素繊維など黒鉛構造を持つ炭素から製造される。この分野は、今後発展が期待され、バイオマス由来炭素を使うことが可能になれば、化石資源の節約、新しい産業になりうると考えた。本発表では、バイオマス由来炭素材料の導電性について考察した結果について発表する。 木タールから作成したピッチは、160℃程度で溶融する。そこでピッチを粉末として、始め800℃で焼成した。このときピッチは一度溶融後に炭化するためフィルム状の炭化物となった。炭化物表面は金属光沢を示し共役した二重結合が生成したことが示唆された。さらにこの炭化物を粉末にして800℃から2000℃まで2度目の焼成を行った。表1に各温度で焼成した炭化物の体積抵抗値をリチウム電池用試験に従った方法により測定した結果を示す。体積抵抗値は800℃で1回焼成したものでは5.3W・cmであったが2回焼成すると1万倍ほど体積抵抗値が下がる(導電性が高くなる)ことを見出した。高温焼成するとさらに体積抵抗値は低くなった。導電性はX線スペクトルで2q=26°(002面)に吸収が現れ(2000℃)るので黒鉛結晶性ではないが炭素の結晶化が進行したことと、2q=44°(10面)にも吸収を示すので表面の結晶化の進行によると推定した。
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Research Products
(1 results)