2004 Fiscal Year Annual Research Report
IV族半導体原子層制御による電子帯変調と量子トンネル構造形成
Project/Area Number |
16360002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
櫻庭 政夫 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (30271993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室田 淳一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (70182144)
竹廣 忍 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (70344736)
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Keywords | IV族半導体 / 原子層制御 / 電子帯変調 / 量子トンネル構造 / 共鳴トンネル / エピタキシャル成長 / CVD / 局所歪 |
Research Abstract |
本基盤研究では、原料ガスの単分子吸着層の表面反応を支援する原子層制御法を用いて、IV族半導体結晶中への異種元素原子層の導入をおこない、電子帯変調を調べるとともに共鳴トンネルダイオード等の量子トンネル構造を形成する。そして、その電気・光学特性評価結果から量子トンネル構造中でのキャリア輸送・生成・再結合過程を解明し、電子帯変調による新規半導体物性の創生を行うことを目的とする。本年度はその第1年目として、歪SiGe/Si共鳴トンネルダイオードを高品質化するための歪SiGe/Siヘテロ構造のエピタキシャル成長条件を検討した結果、高清浄減圧CVD装置を用いてGe比率20%程度にすることにより、歪緩和が生じない高品質ヘテロ構造の形成を可能とした。このヘテロ構造を用いた共鳴トンネルダイオードにおいては、ウェハ面内での電流-電圧特性のばらつきが抑制されるとともに、共鳴トンネル現象に起因すると考えられる負性抵抗が液体窒素冷却時に再現性良く観測された。さらに、ヘテロ構造内部に窒素を原子層ドーピングしたヘテロ構造を適用することにより、室温・光照射下で明瞭な負性抵抗特性が観測されることを明らかにした。このような光と共鳴トンネル現象との相関関係を調べるために、ダイオードの電極配置構造について検討を行った。また、電子サイクロトロン共鳴(ECR)により生成した低エネルギーECR Arプラズマ照射によるSi(100)上でのGeH_4反応により、基板非加熱下での高平坦歪Geエピタキシャル成長制御を実現した。特に、約1mm厚さの歪Ge薄膜においては、ほぼSi(100)基板に格子整合し、ほとんど歪緩和していないことを見いだし、従来の熱分解反応を用いたCVD法では実現が困難な高度歪導入IV族半導体ヘテロ構造形成の可能性を示した。以上のように、電子帯変調による新規半導体物性の創生において重要な成果を得た。
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Research Products
(12 results)