2004 Fiscal Year Annual Research Report
強相関電子酸化物ナノ構造による室温スピントロニクスデバイスの創成
Project/Area Number |
16360007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 秀和 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (80294130)
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Keywords | 室温強磁性 / 電界効果トランジスタ / (La,Ba)MnO_3 / キャリア濃度変調 / 磁気光学効果 / 強磁性層のヒステリシス / 強相関電子系酸化物 / 省電力磁気メモリ |
Research Abstract |
室温で強磁性を示す(La,Ba)MnO_3と強誘電体Pb(Zr,Ti)O_3を機能調和させた電界効果トランジスタ素子を作製し強磁性、超巨大磁気抵抗を室温において電場で制御出来る新規ナノデバイスの創出を行った。レーザアブレーション法を用い(La_<0.85>Ba_<0.15>)MnO_3と強誘電体Pb(Z_<r0.2>TiO_<.8>)O_3をゲート層として積層した電界効果トランジスタ構造を作製した。希薄磁性半導体等では、ホール効果を測定しその異常ホール項が磁化に比例することからデバイスの磁性状態を評価できるが、Mn酸化物では超巨大磁気抵抗効果が重畳するためこの手法は使えない。そこで(La,Ba)MnO_3チャネル層を最上層に配置したボトムゲート型FET構造を本研究において新たに作製し、このチャネル層へ直接磁気光学効果評価(磁気円二色性:MCD)を適用することにより磁性評価を行った。 試料の金属-絶縁体転移温度は=309Kであり電界印加による変調幅は1.5Kである。室温(296.5K)に於いて、強誘電ゲート層の極性を反転させることにより、強磁性層のヒステリシスを(小さくはあるが)変調する事に成功した。この変化は極性反転に対して可逆的でありかつ強磁性層チャネル層の抵抗変化とも対応している事も確認しており、電界によるキャリア濃度変調を通じた室温における強磁性制御の最初の例であると言える。本ヘテロ構造デバイスは強磁性発現/制御温度、必要電界ともに他の希薄磁性半導体系、酸化物系デバイスに比較し動作温度、必要電界とも優れている。省電力磁気メモリへの応用などが期待される。
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Research Products
(9 results)