2006 Fiscal Year Annual Research Report
強相関電子酸化物ナノ構造による室温スピントロニクスデバイスの創成
Project/Area Number |
16360007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 秀和 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (80294130)
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Keywords | 強相関電子系 / 室温強磁性半導体 / 遷移金属酸化物 / スピンエレクトロニクス / ヘテロ構造デバイス / ナノ加工 / 原子間力顕微鏡(AFM) |
Research Abstract |
室温を遥かに超える強磁性転移温度を持ち、自由なキャリア濃度制御および強磁性転移温度の制御が可能な強相関電子系強磁性半導体材料つFe_<3-x>Zn_x0_4(FZO)固溶体を新たに提案した。実際にArFエキシマレーザーを用いたアブレーション法により、FZO (x=0,0.1,0.5)エピタキシャル薄膜をMgO (001)基板上に成長させ、その広い制御性(強磁性転移温度、キャリア濃度)と室温におけるスピン偏極を確認した。 さらにSpring-8とも共同研究による硬X線光電子分光測定によりその物性制御機構を明らかにした。デバイスへの応用として、昨年度までに見いだしたFe_<3-x>Mn_x04(FMO)固溶体薄膜を用いた酸化物ヘテロ構造作成によりショットキーダイオード(FMO/Nb-SrTiO_3)、強誘電ゲート強磁性電界効果トランジスタ(FMO/Pb (Zr, Ti)0_3)デバイスを作成し、それぞれ室温において良好な整流特性、強磁性の電界変調を見いだした。以上により、スピネルフェライトは、プロセス適合性も含めて高温で動作する電界・光応答スピントロニクスデバイスの良い候補であることを明らかにした。 酸化物ナノ加工においては、昨年までに確立した酸化物直接AFMナノリソグラフィー法により、.分子層ステップ(ステップ高さ〜0.4mm)が明瞭に観察される原子レベルで平坦な薄膜中に5μmの長さに渡って形成された約30nmの(La, Ba)MnO_3ナノチャネルの形成に成功した。この(La, Ba)MnO_3ナノチャネルはチャネル方向に電気伝導・磁気抵抗を測定すると約290Kでの金属-絶縁体転移、磁気抵抗比(9T)80%を示し、加工前の薄膜結晶とほぼ同等の物性を保っ品質の高いものであった。さらに超巨大磁気抵抗効果で知られる(La, Pr, Ca)MnO_3ナノ細線構造において細線幅500nm以下で階段状磁気抵抗効果が現れる事を初めて見いだした。さらに汎用的に様々な物質に適用可能なMoナノマスク酸化物AFMリソグラフィー法を開発しFMO、FZOナノサイズ横型電界効果トランジスタ構造を作成した。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Fe_<3-X>Zn_xO_4 thin film as tunable high Curie temperature ferromagnetic semiconductor2006
Author(s)
J.Takaobushi, H.Tanaka, T.Kawai, S.Ueda, J-J Kim, M.Kobata, E..Ikenaga, M.Yabashi, K.Kobayashi, Y.Nishino, D.Miwa, K.Tamasaku, T.Ishikawa
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Journal Title
Appl. Phys. Lett. 89
Pages: 242507.1-3
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[Book] 「固体物理」82006
Author(s)
田中 秀和, 川合 知二
Total Pages
62
Publisher
(株)アグネ技術センター
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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