2006 Fiscal Year Annual Research Report
次世代高演色性白色LED実用化のための新規蛍光体の開発
Project/Area Number |
16360009
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田口 常正 山口大学, 大学院理工学研究科, 教授 (90101279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 陽一 山口大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (00251033)
倉井 聡 山口大学, 大学院理工学研究科, 助手 (80304492)
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Keywords | 半導体光物性 / 結晶成長 / 薄膜蛍光体 / 演色性 / II-VI族化合物半導体 / 白色LED |
Research Abstract |
高出力近紫外LEDからの発光(発光波長380〜410nm)を白色光に変換する新規蛍光体を開発することを目的に、II-VI族化合物半導体であるZnSをベースとする白色LED用高効率蛍光体の開発を行った。また、近紫外励起白色LEDの蛍光体配置について、本研究で提案した色分離型LEDを試作し、その特性を評価した。ZnS_<0.98>Te_<0.02>薄膜にヨウ素ドーピングを行った結果、Te中心に起因する青緑色発光と同時に、SA発光(中心波長約660nm)を得た。ZnS_<0.98>Te_<0.02>:I薄膜蛍光体からのPL発光スペクトルは可視光全域に広がり、発光色は白色となった。ヨウ素流量を最適化することにより、白色の度合いの指標である平均演色評価数R_aは最大88を得た。また、同じ試料において鮮明な赤を再現するために重要な特殊演色評価数R_9として92を得るなど、従来課題とされていた赤色領域の色再現性においても十分な能力を有することが分かった。単一材料を用いた単純な構造の薄膜蛍光体により、高品質な白色発光を得ることに成功した。また、従来のR・G・B蛍光体混合型の白色LEDにおいて蛍光体内部または蛍光体間のエネルギー伝達が発光効率損失を引き起こすという問題に対して、研究計画で提案した3原色分離型白色LED光源の優位性が明らかとなった。従来蛍光体を用いて分離型LED光源を試作し、高演色かつ高均一白色光源としての優位性を実験的にも明らかにした。これはリソグラフィー技術を用いた薄膜蛍光体分離構造の可能性を示唆するものである。
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Research Products
(2 results)