2005 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス上における歪みSiGe結晶の創製と薄膜トランジスタの超高移動度化
Project/Area Number |
16360010
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐道 泰造 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (20274491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮尾 正信 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (60315132)
権丈 淳 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (20037899)
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 集積回路 / ディスプレイ / シリコンゲルマニウム / 薄膜トランジスタ |
Research Abstract |
本研究では、ガラス上に於ける高品質トランジスタの実現を目指し、高移動度半導体薄膜の低温形成技術を探索する。非晶質Si(a-Si)/ガラスの固相成長は、結晶核の発生(活性化エネルギー:4.0eV)とその核を種とした結晶成長(活性化エネルギー:2.8eV)で進行する。従って、a-Si薄膜の所定の位置に触媒種を形成し、低温(500℃以下)でアニールを行えば、触媒反応で大粒径(10μm程度)の多結晶Siが得られる。 本年度は、非晶質Si_<1-x>Ge_x(0≦x≦1)薄膜の触媒金属誘起固相成長法に有効な触媒金属種の探索を行った。その結果、Si及びGeと共晶反応を生じる金属(In,Al,Au)を触媒として用いた場合、非晶質SiGe薄膜の溶融・固化反応に起因して、SiGe薄膜が横方向に多結晶化すること、特にAuの場合では、全Ge濃度域において20μm以上の多結晶SiGe成長が発現することを見出した。しかし、多結晶成長後には高濃度(数10%)のAuが残留した。 一方、化合物反応型の金属であるNiを触媒金属に用いた場合、成長形態がGe濃度に依存した。Si及びGeでは均一形状の成長が発生したが、SiGe混晶では樹枝状の成長が優先した。これらの成長形態の差は、Ni化合物を成長端とした針状結晶の分岐・屈曲の頻度がGe濃度で顕著に変化するためであることを明らかにした。いずれの場合においても、得られたSiGe多結晶層は無歪みであり、膜内に残留しているNi濃度はEDXの検出感度(約1%)以下であることを見出した。 以上の結果から、共晶反応型の金属(In,Al,Au)よりも化合物反応型の触媒金属(Ni)の方が優れていると結論した。
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Research Products
(2 results)