2004 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物薄膜における酸素欠損と電気的特性の関連性評価と膜質改善
Project/Area Number |
16360016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山部 紀久夫 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (10272171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上殿 明良 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (20213374)
蓮沼 隆 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (90372341)
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Keywords | 高誘電率絶縁膜 / 集積回路 / ゲート絶縁膜 / 伝導機構 / 電荷捕獲 / 信頼性 / シリコン酸化膜 / 酸素欠損 |
Research Abstract |
本研究では、超高密度半導体集積回路向けのシリコン酸化膜の代替として検討されている高誘電率ゲート絶縁膜のもっとも広く研究されているHfO2関連膜の伝導機構および信頼性を調査した。 研究の結果、MOSキャパシタを用いたゲート絶縁膜のリーク電流評価は、素子形成が簡単で成膜後の工程が少ないことから、成膜以外の工程の影響が少なく、より本質的な物性を評価できるとされ、当初は、その評価に専念し、いくつかの結果を得た。しかし、MOSキャパシタより成膜後の工程が多くなるMOSFETを用いて、電子と正孔の伝導を個別に評価したところ、当初界面エネルギー障壁高さから主伝導機構が電子であるとの予想は覆され、界面シリコン酸化膜厚高誘電率絶縁膜厚の構成に大きく依存して、電子も正孔も伝導に寄与することが明らかとなった。 また、同時に見かけ上主伝導が電子もしくは正孔の一方と見られても、実際には、両者のリーク電流が流れ、引き続き、膜中に捕獲され、リーク電流、容量やフラットバンド電圧(しきい値電圧)の時間変化をもたらし、信頼性評価においては、両者の効果を考慮することが必須であることが明らかとなった。 また、高誘電率絶縁膜の形成の主要技術とされるALD(原子層吸着)の素過程である金属原子の吸着が、下地シリコン酸化膜の絶縁性を著しく低下することを示した。その原因として、金属原子被着によるシリコン酸化膜からの酸素原子の引抜が大きく関与していることを明らかにした。さらには、そのような劣化は、シリコン酸化膜を窒化したオキシナイトライド膜では緩和されることも、実証した。 今後、上記知見を基に、さらに、高い電流ストレスでの上記スタックトゲート絶縁膜の劣化特性を、電気的特性およびプロセスの組み合わせにより評価する方法を構築し、劣化機構の解明につなげていく。
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Research Products
(3 results)