2005 Fiscal Year Annual Research Report
波長可変紫外プローブによる電子共鳴マルチプレックスSFG分光
Project/Area Number |
16360023
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石橋 孝章 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70232337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 洋 神戸大学, 理学部, 教授 (20213803)
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Keywords | 赤外可視和周波発生分光法 / 紫外光 / ブロードバンド赤外光 / マチプレックス法 / 電子共鳴 |
Research Abstract |
初年度に紫外光が利用可能なように拡張したSFG分光装置(ピコ秒狭帯域紫外光:〜5ps,FWHM〜10cm^<-1>,235〜400nm、フェムト秒広帯域赤外光:〜110fs, FWHM〜200cm^<-1>,中心波数4000〜1000cm^<-1>)を用い、電子共鳴条件下でのSFGスペクトル、即ち電子振動二重共鳴SFGスペクトルの測定を実行した。試料として、p-mercaptobenzoic acid(COOHC_6H_4SH)、p-nitrobenzenethiol(NO_2C_6H_4SH)の自己組織化膜を金基板上を選んだ。この二種の分子は、ベンゼン環を有しているので300nm以下の紫外領域に電子吸収をもち、紫外プローブを使用によってSFG信号の共鳴が期待される試料である。 紫外プローブを用いた電子共鳴条件下でのSFG測定では、紫外プローブ光の影響による酸化などの劣化が問題になることがあると予想される。貴重なサンプルの劣化を避けながら、良好で再現性のある測定を実行するために、測定は窒素ガスでパージ可能なサンプル箱を作製しその中で行った。 測定は、289nmと334nmの二種類の波長で行った。SFG信号の波長が試料の溶液の電子吸収のピーク波長に近い場合、強度の大きいSFG信号が得られ、SFG信号が電子共鳴によって増強していることが確認された。しかし、分子の電子吸収は金基板上と溶液とで、バンド幅などに関して異なっている可能性が高い。今後、より多くの波長を用いてSFGスペクトルを測定することで、この点を明らかにしていく予定である。その結果、電子振動二重共鳴SFGの測定によって、通常は測定が困難な不透明基板上の単分子膜の電子吸収スペクトルの測定が可能となることが実証できると期待される。
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Research Products
(7 results)