2005 Fiscal Year Annual Research Report
青色領域に感度を持つInGaN量子井戸フォトリフラクティブ素子の研究
Project/Area Number |
16360026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒田 和男 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10107394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 泰彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30134638)
志村 努 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90196543)
芦原 聡 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10302621)
藤村 隆史 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (50361647)
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Keywords | InGaN / GaN量子井戸 / GaN薄膜 / フォトリフラクティブ素子 / ヘリウムイオン照射 / 電気光学変調器 / 光励起キャリア遮蔽効果 / 紫外アルゴンレーザー光 |
Research Abstract |
光情報技術において、近年のGaN半導体レーザーの成功により、波長400nm前後の青色領域の重要性がますます増している。本研究の目的は、この青色領域において動作する、InGaN量子井戸構造を基盤とする光デバイス、特に、フォトリフラクティブ素子を開発することにある。 本年度は,昨年度の成果を踏まえ,半絶縁性GaNのフォトリフラクティブ効果について研究した。はじめに,GaNの薄膜(厚さ3.45μm)を成長し,これに1.6MeVの高エネルギーヘリウムイオンを照射し,半絶縁化した。ヘリウムイオンの照射により,抵抗率はおよそ7桁増大した。フォトリフラクティブ効果の検証には,波長363.8nmのアルゴンイオンレーザー光を用い,2光波混合ゲインの測定を行った。この試料は大きなフォトクロミック特性を示す。フォトリフラクティブ効果とフォトクロミック効果を分離するため,偏光スイッチ干渉計を考案した。この干渉計には電気光学変調器を組み込まれており,変調器がオフの状態では,干渉2光束の偏光は垂直で,干渉縞は生じない。電気光学変調器を高速でオンにすると,干渉2光束の偏光は平行になり,干渉縞が形成される。この干渉計では,全光量は電気光学変調器の状態によらず一定であるから,フォトクロミック効果は変化しない。この状態で,干渉縞を高速でオン・オフすると,フォトリフラクティブ効果の影響だけを抽出することができる。こうして,フォトリフラクティブ効果とフォトクロミック効果の分離測定が可能になった。外部電場30kV/cmの条件で測定した結果,結合の強度パラメーターが約1.5,応答速度が8mW/cm^2の光強度で約20000/sであった。以上の測定では光の波長はバンド端の近くを選んだが,膜厚を増やせれば,長波長でも動作可能と思われる。
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Research Products
(2 results)