2004 Fiscal Year Annual Research Report
周波数コムを用いた光コヒーレンス・トモグラフィの研究
Project/Area Number |
16360027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
黒川 隆志 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (40302913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 洋介 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 講師 (20283343)
塩田 達俊 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助手 (10376858)
武田 光夫 国立大学法人電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00114926)
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Keywords | 光周波数コム / 段差計測 / ファラデー回転鏡 |
Research Abstract |
これまで、光コヒーレンス・トモグラフィ(OCT)の技術が盛んに研究されている。これは生体表皮から光を入射し組織内部の反射光を検出して、表皮下の断層写真を得る方法である。従来のOCTは、低コヒーレンス干渉の原理を利用しているため、光源の強度が小さく出力が微弱であった。そのため深い場所まで観察できない、観測時間が長い、可動部が多い等の欠点があった。上記の事情に鑑み、本研究の目的は周波数コム光源を導入した新しい方式の光コヒーレンス・トモグラフィを開発することにある。この方法では高強度の周波数コム光を干渉計に導入することにより、一定の干渉距離差がある箇所できわめて強い干渉出力が得られる。一方、偏光した光を光源とし干渉計にシングルモードファイバを用いると干渉系内での偏波揺らぎが干渉出力に深刻な影響を与えるが、この点を補償するためにファラデー回転鏡(FRM)とその透過型(FRT)のファラデー素子を製作して、その基礎特性を調べることも目標とした。 本年度は、位相変調器2個を直列に接続し後段には2逓倍波を入力することで光周波数コムの広帯域化と平坦化を実現した。得られた約11GHzの変調周波数に対して3dB帯域幅200GHz以上のコムを段差計測の光源とした。一方、干渉光学系の偏光揺らぎに対する安定化を図るためにFRMの性能を評価した。FRMを光ファイバ端に取り付け干渉計内に可変複屈折材料を設置し複屈折を変化させると、干渉出力が安定化することが確かめられた。また、波長1510nmから1610nmの範囲で安定してFRMが動作することも確認した。また、FRTに対しても干渉計内の揺らぎが補償され安定した距離計測が実現できることを示した。上記の光源を用いて参照側にFRMを、また信号側にFRTをそれぞれ設置して段差計測を行い0.1mm程度の計測分解能が得られた。システムの原理確認がされた。
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Research Products
(4 results)