2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高速光制御デバイスを用いたテラヘルツ帯バイオフォトニクスの研究
Project/Area Number |
16360037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
四方 潤一 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (50302237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 弘之 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (60344727)
近藤 丘 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)
宮崎 均 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (40183636)
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Keywords | バイオフォトニクス / コヒーレントラマン効果 / テラヘルツ帯分子振動 / 半導体レーザー / 超高速光制御 |
Research Abstract |
本研究課題では,コヒーレントラマン効果によってテラヘルツ(THz)帯振動をin vivoにとらえる小型・高精度のバイオフォトニクス計測装置を超高速光制御技術に基づいて新たに創出し,その有効性を示すことを研究目的としており,初年度である今年度は以下の成果を得た。 本研究では数THz程度以下の低周波領域の分子振動を測定対象としており,励起レーザー光成分を極限までカットし,この波長に近いシグナル光を高感度に検出することが本質的である。そこで,まず現有設備のナノ秒パルス近赤外コヒーレント反ストークスラマン分光(CARS)装置を利用して,低周波極限の測定を検討した。そこでは,新たに特殊設計のエッジフィルタおよび波長可変バンドパスフィルタを導入し,フィルタ設定の最適条件を検討するとともに,検出系およびデータ処理系にも改良を加えた。その結果,水および生体分子水溶液(糖類,蛋白質)のCARS測定における低周波極限として,従来の6THzから1.5THzまでの低周波測定を実現した。次に,生体分子のTHz帯分子振動を高感度に検出するため,偏光特性を利用したCARSスペクトルの解析を検討した。その結果,水分子のTHz帯シグナルについて,共鳴成分(分子振動)と非共鳴成分(仮想準位を介した遷移)の分離・解析を実現し,水からのシグナル抑制のための最適条件について指針を得た。一方,本研究では小型で高速・高安定な計測装置の実現を目標としており,近赤外半導体レーザーおよびファイバ光増幅器を用いた2波長超短パルス光源の製作を開始した。また,2光子蛍光による予備実験から,10Wレベルのピーク出力でもCARSと同じ3次の非線形効果を起こしうることを確認し,超短パルスを用いた場合に必要となる励起レベルについて指針を得た。
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Research Products
(3 results)