2006 Fiscal Year Annual Research Report
超高速光制御デバイスを用いたテラヘルツ帯バイオフォトニクスの研究
Project/Area Number |
16360037
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
四方 潤一 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (50302237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 均 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (40183636)
宮本 克彦 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20375158)
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Keywords | バイオフォトニクス / コヒーレントラマン効果 / テラヘルツ帯分子振動 / 半導体レーザー / 超高速光制御 |
Research Abstract |
本研究課題では,コヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS)を利用して,テラヘルツ(THz)帯振動をin vivoにとらえる小型・高精度のバイオフォトニクス計測装置を超高速光制御技術に基づいて新たに創出し,その有効性を示すことを研究目的としており,最終年度である今年度は以下の成果を得た. まず,ピコ秒パルス動作半導体レーザ光を用いて波長可変近赤外光源を実現するためにフォトニック結晶ファイバ中でのスーパーコンティニューム光発生を行い,超ブロードバンドの近赤外光発生を実現した.次に,この広帯域光を波長可変バンドパスフィルタを通して光ファイバ増幅器で増幅することにより,900nm帯で広帯域に波長可変な高輝度・高繰り返しの光パルス生成を実現した.この光パルスを走査型レーザ顕微鏡に導入することにより,3次の非線形効果である2蛍光を用いた生細胞のバイオイメージングに成功し,その有効性から同じ3次の非線形効果であるCARSによるバイオイメージングに対する見通しを得た.さらに,共焦点型CARS分光計においては,まず近赤外波長可変光源による癌組織の透過イメージングを行い,これまでに得られているTHz波による癌組織イメージングとの比較を行った.その結果,近赤外光を用いた場合には,表面から識別できる癌部位のみならず,癌・正常部位の境界付近や癌部位中に含まれる壊死の可能性が高い箇所についても鮮明な画像からその識別が可能であることを見出した.本研究で目的とするTHz帯共鳴を用いたCARSイメージングについては,固体参照試料を用いた測定により100WレベルのピークパワーでもCARSイメージの取得が可能であることを見出した.また,高ピーク出力の2波長をファイバ中で導波する際にはファイバ中で起きる4波混合が問題となることを見出し,中空導波路を用いた実験により,光パルスに対する耐久性と4波混合抑制の観点から,極めて有効であることを見出した.
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Research Products
(7 results)