2004 Fiscal Year Annual Research Report
レーザートラップ交流電気泳動光散乱法を用いた複雑流体の局所力学物性測定
Project/Area Number |
16360038
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木村 康之 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00225070)
|
Keywords | レーザートラップ / 交流電気泳動易動度 / コロイド粒子 / 3次元操作 / 周波数スペクトル |
Research Abstract |
本研究では、複雑な内部構造を持つソフトマテリアル中で、ナノサイズの荷電コロイド粒子をレーザートラップしながら試料中の各点における複素電気泳動易動度を測定することで、試料の3次元的な構造や局所的力学応答をナノスケールの分解能で得ることを目指している。 本年度は単一粒子レーザートラップ交流電気泳動を行うために以下に述べるようなレーザートラップシステムと広帯域、高分解能での粒子位置検出が可能な検出系の開発を行なった。まず、外部光導入が可能かつ蛍光観察が可能な倒立型光学顕微鏡システム(TE2000)に高出力のLD励起赤外レーザー光(BL-106C-3K、波長1064nm)を顕微鏡の背面ポートから導入し、これを用いてプローブ粒子を空間内の特定の位置に捕捉することが可能なシステムを構築した。さらに、本システムでは2軸のガルバノスキャナーを導入することで、平面内でトラップした粒子を自由に操作すること(例えば円運動など)が可能となった。次にトラップ光に位置検出用のHe-Neレーザー光を重ね合わせて入射し、トラップされたプローブ粒子によるその回折光を4分割フォトダイオード上に結像させることでコロイド粒子位置の高精度検出を実現した。開発されたシステムによりサブミクロンサイズのプローブ粒子を任意の位置に移動させることならびにその運動を100kHz程度までの広帯域で観測することが可能となった。 現在、開発されたシステムを用いてサイズの異なる種々の球状コロイド1粒子(ポリスチレンラテックス、シリカ粒子等)を種々の単純液体に分散させ、その複素電泳動易動度スペクトルを数Hzから100kHzにわたる広い周波数帯域で測定し、開発されたシステムのトラップ力の評価およびコロイド粒子の電気的物性の評価を進めている。
|
Research Products
(4 results)