2005 Fiscal Year Annual Research Report
レーザートラップ交流電気泳動光散乱法を用いた複雑流体の局所力学物性測定
Project/Area Number |
16360038
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木村 康之 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00225070)
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Keywords | レーザートラップ / 複素電気泳動易動度 / 複雑流体 / 荷電コロイド粒子 / 3次元測定 / 粒子間相互作用 |
Research Abstract |
本年度は平成16年度に開発したシングルレーザートラップシステムに以下の改良を加えて、試料中で3次元的に任意の位置におけるプローブ粒子のレーザートラップを実現した。(1)XY2軸ピエゾステージを導入し、その上で試料を2次元的に移動させることが可能となり、焦点面内の任意の位置でのレーザートラップを実現した。(2)2個の偏光ビームスプリッタおよび2個のガルバノスキャナを導入し、2本の光ピンセットを独立にマイクロメータの精度で操作することが可能となった。これにより、トラップ位置の微妙な調整および2次元平面上での高速走査を実現した。(3)He-Neレーザー光を粒子にあて、その回折光を4分割フォトダイオードにより検出することでプローブ粒子位置の高精度観測が可能となった。以上のような改良を行なった上で、ナノスケールの球状コロイド粒子の水中における複素電気泳動易動度スペクトルの測定を行なった。その結果、レーザートラップにより粒子のブラウン運動による揺らぎが抑制され、電気泳動易動度の高精度測定が可能となった。しかし、一方で、トラップを強くしすぎると易動度による変位も相対的に小さくなるために、測定が困難となり、測定周波数を狭める原因になることがわかった。さらに、開発されたレーザーピンセットシステムを用いれば、複雑流体中での局所力学物性測定が可能であり、これまでに(1)1次元光ポテンシャル中での荷電コロイド粒子間相互作用の直接測定、(2)ネマチック液晶中でのコロイド粒子間相互作用の直接測定、(3)脂質ベシクルのマイクロマニュピュレーションによる粘弾性測定を行い、有用な知見を得ることに成功した。
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Research Products
(2 results)