2004 Fiscal Year Annual Research Report
一次元分子配列制御有機ナノ構造の構築と異方性光・電子デバイスの創成
Project/Area Number |
16360040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
上田 裕清 神戸大学, 工学部, 教授 (40116190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八瀬 清志 独立行政法人産業技術総合研究所, 光技術研究部門, 副部門長 (50175650)
吉本 則之 岩手大学, 工学部, 助教授 (80250637)
小柴 康子 神戸大学, 工学部, 教務職員 (70243326)
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Keywords | 配列制御有機薄膜 / ポリアセン / フルオレンポリマー / 一次元配向 / 有機FET / 偏向発光 / 液晶配向 / フォトクロミズム |
Research Abstract |
高度に分子配列制御した共役系有機薄膜を作成し、その配向構造と光・電子および電気特性について検討した。また、有機分子のフォトクロミック特性を利用した液晶分子の配向制御について検討した。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)摩擦転写膜をスペーサーとして4種のポリアセン化合物(クリセン、3,4-ベンゾピレン、テトラセンおよびペンタセン)の薄膜を作成すると、クリセン及び3,4-ベンゾピレンは基板面に対し斜立して吸着すること、また、分子面は結晶中の分子配置からPTFEの掃引方向に対して平行及び垂直方向に配向することを明らかにした。一方、テトラセン及びペンタセンは基板面に対して斜立吸着し、PTFEの掃引方向の垂直方向に分子カラムを形成することを見出し、分子配向の一次元化に成功した。ペンタセンのカラム軸方向の電界効果移動度は4.2x10^<-1>cm^2/Vsであり、垂直方向の約100倍であることを明らかにし、低次元有機電界効果型トランジスター(OFET)の構築に成功した。また、摩擦転写法と後熱処理により、高度に一軸配向したポリフルオレン(PFO)配向膜の作製に成功した。PFO摩擦転写膜は非常に平滑な表面形状を有しており、膜の蛍光強度の二色比は約25とこれまでに報告されている中で最高の偏向発光能を有していた。さらにフォトクロミック能を有するアゾベンゼンのLB膜で液晶分子をサンドイッチしたセルは、アゾペンゼンのシスートランス光異性化に伴い液晶分子の配向構遺が変化し、透過光のon-off制御に成功した。 今回作成した有機薄膜は、指向性発光素子はもとより光制御やOFET素子への応用が期待され、有機薄膜の新たな機能発現に有用な知見を得た。
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Research Products
(6 results)