2005 Fiscal Year Annual Research Report
一次元分子配列制御有機ナノ構造の構築と異方性光・電子デバイスの創成
Project/Area Number |
16360040
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
上田 裕清 神戸大学, 工学部, 教授 (40116190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八瀬 清志 産業技術総合研究所, 副部門長(研究職) (50175650)
吉本 則之 岩手大学, 工学部, 助教授 (80250637)
小柴 康子 神戸大学, 工学部, 教務職員 (70243326)
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Keywords | 配列制御有機薄膜 / ポリジアセチレン / LB膜 / 液晶配向 / フルオレンポリマー / 偏光発光 / 偏光LED / 摩擦転写 |
Research Abstract |
分子配列制御した有機薄膜を作成し、その光学および電子特性の異方性の解明とデバイス応用を目的として、まず、ポリジアセチレン単分子膜を誘起層とする液晶分子の配向制御について検討した。ウレタン基を導入したポリジアセチレン(poly3BCMU)は水面上でコイル-ロッド転移を示し、分子鎖が伸びきったロッド状態でガラス基板に転写すると、一軸配向した単分子膜が得られた。この膜を配向誘起層として液晶セルを構築すると、基板の配置に応じた透過光強度の異方性を示し、二色比は1:20に達することを見いだした。この液晶分子の配向制御技術はラビングフリーであり、単分子層を配向誘起層とすることから液晶セルの超薄膜化や駆動安定化が可能となった。 また、摩擦転写法と後熱処理により、高度に一軸配向したポリフルオレン(PFO)配向膜を透明導電ガラス上に作製した。PFO配向膜を基板として電子輸送材料と陰極金属を真空蒸着してLED素子を作製した。素子は著しい発光の異方性を示し、偏光発光の強度比は積分値で30以上に達し、これまで発表されている最高の素子特性を示した。高偏光LEDをバックライト照明として利用することで、液晶ディスプレイの偏光板が一枚不要となり、大幅な省エネ化が可能となった。 今回作成した配列制御有機薄膜は、光制御や有機電界効果型トランジスター素子への応用も期待され、有機薄膜の新たな機能発現に有用な知見を得た。
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Research Products
(9 results)