2006 Fiscal Year Annual Research Report
高圧キセノンガスを用いたMeV領域ガンマ線コンプトン型撮像装置の開発
Project/Area Number |
16360041
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宮島 光弘 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50044756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷部 信行 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10127904)
宮地 孝 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20013401)
柴村 英道 埼玉県立大学, 短期大学部, 教授 (30100605)
小林 正規 宇宙航空研究機構, 宇宙科学研究本部, 招聘研究員 (70312080)
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Keywords | 粒子測定技術 / 放射線 / センサー / 光計測 / コンプトンカメラ |
Research Abstract |
本年度は下記の実験を行った。 1)MeV領域ガンマ線コンプトン型撮像装置の主な挙動を再現することができるシミュレーターをモンテカルロ法に基づいて構築した。充填ガスをキセノン、密度を0.06g/ccとすると、典型的な角度分可能としては1-5MeVのガンマ線に対して、約10度という従来のコンプトン望遠鏡のイメージング方法と比べて約7倍優れた分解能が得られることが判明した。 2)33系統の信号増幅回路及び波高弁別器を用いて、ガンマ線のエネルギー及び荷電粒子の軌跡の測定を行うことができるVME計測システムを構築した。 3)昨年、試作機として製作したワイヤー間隔3mmのグリッド付マルチワイヤー比例計数管にキセノン1気圧を充填し、α線源としてAmを陰極部に設置することで、エネルギースペクトルの取得を行った。陰極・グリッド間、グリッド・陽極間の最適な電場比は1:4であり、現時点でのエネルギー分解能は半値幅で約3%である。また、ワイヤーに印可する電圧を高め、増倍率の測定を行った。コンプトン型撮像装置では、コンプトン散乱による反跳電子の軌跡を取得する必要があるが、α線と異なり比電離密度が小さいため一本のワイヤー当り200倍程度の増倍率が必要である。現在、グリッド・陽極間にかかる最大電場は2.4kV/cmだが、実験から200倍以上の増倍率を得るためには4.8kV/cmの電圧印可が必要であることがわかった。今後、さらに印可可能な電圧を高めなければならない。 4)上記のVME計測システムを用いて、α線の軌跡の再構築を行った結果、構築したシステムが想定通りに動作することを確かめた。但し、トリガーとしては比例増倍による発光を利用し、アバランシェ光ダイオードの印可電圧は1850Vで90%以上の効率だった。今後、直接励起光をトリガーとするべく、チェンバー内のダイオードの設置場所を検討する。
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Research Products
(11 results)