2004 Fiscal Year Annual Research Report
フラクタル構造形成の機構解明とそのシミュレーション法の開発
Project/Area Number |
16360044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中山 恒義 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80002236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢久保 考介 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40200480)
寺尾 貴道 岐阜大学, 工学部, 助教授 (40271647)
島 弘幸 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40312392)
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Keywords | 行列固有値解析 / 数値計算アルゴリズム / フラクタル構造 / コロイド凝集現象 / 臨界現象 |
Research Abstract |
本年度の主な成果二点を以下に述べる。 (1)フラクタル形成メカニズムの解明:フラクタル構造のパターン形成メカニズムの研究は、その問題の普遍性ゆえ高い関心を集める。しかしその解明のためには、超大規模行列の固有値解析が必要であり、従来の数値手法ではその計算コストの処理が非常に困難である。そこで本研究では、下記(2)で述べる数値手法を利用し、フラクタル構造の形成メカニズムを解析した。特に、懸濁コロイド系のフラクタル凝集現象に着目し、拡散コロイド粒子の凝集プロセスと凝集体のフラクタル構造、およびコロイド粒子間の相互作用との関係を定量的に調べた。その結果、凝集体の構造を特徴づけるフラクタル次元が、粒子間に働く相互作用ポテンシャルの関数として定式化できる可能性を初めて示唆した。さらに本研究では、古典パーコレーション系のクラスター形成過程について、臨界クラスターのフラクタル構造とそのフラクタル次元の有限サイズ効果を定量的に解析した。その結果、臨界クラスターのフラクタル次元は、無限大の系においても有限のゆらぎを示すことが初めて明らかとなった。 (2)超高速固有値解析アルゴリズムの開発:研究代表者らが過去に開発した数値計算法-Forced Oscillator Method-を基に、超大規模行列の固有値解析アルゴリズムの開発を行った。これにより、10^7×10^7を超える超大規模行列の固有値・固有ベクトル解析を、従来よりも格段に効率よく計算することが可能となった。さらに本アルゴリズムを、非エルミート行列および四元数行列へ適用できるように拡張を行った。この拡張により、本研究課題の中心テーマであるフラクタル形成メカニズムの解明に向けた新しい数値アプローチを確立することができた。
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Research Products
(14 results)