2006 Fiscal Year Annual Research Report
フラクタル構造形成の機構解明とそのシミュレーション法の開発
Project/Area Number |
16360044
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中山 恒義 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (80002236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢久保 考介 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (40200480)
島 弘幸 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (40312392)
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Keywords | 行列固有値解析 / 数値計算アルゴリズム / フラクタル構造 / コロイド凝集現象 / 臨界現象 |
Research Abstract |
フラクタル構造のパターン形成メカニズムの研究は、問題の普遍性ゆえに高い関心を集めている。この研究には従来の方法では扱うことができない大規模行列の固有値解析が必要であるため、多くの基本的問題が未解明のまま残されてきた。本研究では従来とは異なる原理に基づいた「数値解析アルゴリズム」を開発することにより、この問題に対する新たなアプローチを確立することを目的とするものである。具体的には、(1)を超える超大規模行列の固有値解析および大規模行列で記述される物理系の応答関数を高速計算するアルゴリズムを開発すること、およびこの新規な大規模数値解析法を用いて、(2)古典および量子系におけるフラクタル構造形成のメカニズムを解明することの2点である。 近年の計算機ハードウェアの急速な進歩に比べて、超大規模行列の数値計算を実行するアルゴリズム(ソフトウェア)開発には大きな進展が見られず、この分野のさらなる発展が期待されてきた。我々の方法の特色は、一般の数値問題を時間発展"格子振動"問題にマッピングし、各格子点にランダム位相の強制振動を加えることにより生じる物理的な共鳴現象を利用したものである。この方法の最大の利点は手法が極めて単純なこと、また運動方程式の時間発展に寄っているので物理的イメージがたてやすいことにある。また運動方程式の時間発展解析に有効なチェビシェフ多項式展開に基づく高速時間発展法と組み合わせることにより、超並列処理に適したアルゴリズムが構成でき、飛躍的な高速化が見込まれるものである。 本研究の成果の一部である数値問題や応答関数のシミュレーション法は、その一般性から考えて理工学で広く用いられることになろう
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Research Products
(11 results)