2005 Fiscal Year Annual Research Report
ピエゾ材料を用いた受動型・能動型併用欠陥モニタリング・システムの開発
Project/Area Number |
16360055
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保 司郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20107139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪上 隆英 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50192589)
井岡 誠司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50283726)
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Keywords | 逆問題 / 電気ポテンシャルCT法 / 非破壊検査 / 複合材料 / 界面剥離 / スマートマテリアル / き裂同定 / 破壊力学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、逆問題解析に基礎をおく受動型・能動型併用モニタリング・システムを開発することにある。すなわち、ピエゾ材料の特性を利用して電流負荷を与えることなく構造要素に表れる電気ポテンシャル分布に逆問題解析を適用し、受動的に欠陥をモニタリングする手法を構築するとともに、ピエゾ材料の逆特性を利用して欠陥が検出された部分に能動的に負荷をかけモニタリングを行う能動型のモニタリング手法を構築する。 本年度の検討により、得られた結果を以下に示す。 1.複合材料中に存在する2個のはく離の同定に対する、受動型電気ポテンシャルCT法の適用性を検討した。複合材料中に2個のはく離が存在するときに、複合材料の表面に貼付したピエゾフィルムに生じる電気ポテンシャル分布を、有限要素法により調べた。はく離の位置が重ならないときには、はく離の両端に電気ポテンシャルの極値が現れるが、はく離位置が重なるときには、ピエゾ材料の近くのはく離にかくれるはく離の端部に対応する極値が表れないことがわかった。ピエゾフィルム上に表れるポテンシャル分布からき裂を同定するための、階層的な逆解析手法を提案した。有限要素解析を利用したき裂同定シミュレーションを行った。はく離位置が重なるような場合でも、また観測値に3%程度の誤差が混入する場合でも、はく離の位置と深さが推定できることが明らかとなった。また、AICを用いることにより、き裂の個数が2であることを確認することができた。 2.受動型・能動型併用電気ポテンシャルCT法に関する検討して、両方が可能なピエゾフィルムを用いたスマートセンサおよび計測システムを構築した。このスマートセンサにより、従来の非接触型測定と同等の精度で接触法による計測が達成できた。さらに、このスマートセンサにより超音波を発振し、その応答波を計測することにより、はく離やき裂を検出しその位置を推定することが可能であることがわかった。
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Research Products
(9 results)