2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ・マイクロマシニング技術を援用したピエゾ抵抗ナノ細線の機械・電気特性評価
Project/Area Number |
16360058
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
磯野 吉正 立命館大学, 理工学部, 教授 (20257819)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 進 立命館大学, 理工学部, 教授 (20278493)
|
Keywords | MEMS / NEMS / カーボンナノワイヤ / 引張試験 / FIB-CVD / ヤング率 |
Research Abstract |
ナノ・マイクロマシニング技術を援用して開発した、静電駆動型ナノスケール単軸引張試験デバイス(Electro Actuated Nano Tensile Testing Devices : EANAT)を用いて、直径90mm〜150mm長さ約3〜5μmのカーボンナノワイヤ(CNW)の引張試験に成功した。EANATは、試験片であるCNW、引張負荷を与えるための静電駆動櫛歯型マイクロアクチュエータ、およびナノワイヤ微小引張伸び計測用カンチレバーがシリコンチップ上に集積化された、ナノ材料評価専用MEMS (Micro Electro Mechanical Systems)デバイスである。EANATはナノ材料試験に必要な機能の全てが1つのシリコンチップ上に集積されていることから、高精度な機械特性・電気特性評価が可能なデバイスとなっている。研究期間の第一年度は・デバイス設計・開発、第二年度はデバイス試作およびCNWの機械的特性を解明したここでは、CNWのヤング率が約60GPaであることを解明するとともに、その破壊強度は約7GPaを呈し、ナノマシン用構造材料として十分な強靭性を有していることが示された。最終年度に当たる第三年度は、単軸応力下におけるCNWの電気特性評価を主として実施した。 CNWはFIB-CVD (Focused Ion Beam assisted Chemical Vapor Deposition)によってEANAT上に高精度に配置され、静電アクチュエータによって単軸引張応力状態になる。引張応力の増大に伴う電気抵抗変化を、半導体パラメータアナライザにて高精度に計測し、抵抗変化率を算出した。ひずみが0〜3%の範囲では、CNWの抵抗変化率は増大し、そのゲージ率は0.8程度を示すが、ひずみ2〜6%の範囲では抵抗変化率が減少することがわかった。また、減少時のゲージ率-1%程度であった。抵抗変化率が変化する理由は、CNW中に含まれるガリウム原子とアモルファスカーボンの応力増加に伴う組織変化に起因するものと考えられる。 以上の機械的・電気的特性評価から、CNWはナノマシン材料として十分に利用可能なナノスケール材料であると結論することができる。
|
Research Products
(4 results)