2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境質制御トライボテスターの試作とフェムト秒レーザー加工硬質膜のトライボ特性評価
Project/Area Number |
16360059
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
駒井 謙治郎 福井工業高等専門学校, 校長 (70025948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安丸 尚樹 福井工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (90158006)
加藤 寛敬 福井工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (30311020)
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Keywords | フェムト秒レーザー / アブレーション / 硬質薄膜 / DLC / ナノ構造 / 走査型プローブ顕微鏡 / トライポロジー特性 |
Research Abstract |
精密ステージを用いてフェムト秒レーザーをDLC薄膜に照射し、周期的微細構造(ナノ構造)とGCへの表面改質層を大面積(15mm×15mm)に均一加工する条件を明らかにした。また、直線状の走査線を平行にずらしながら行う平面状照射と、走査線を一定間隔空けながら直交させて行う網目状照射の技術を開発した。 平面状照射によりナノ構造が形成されたDLC薄膜に対し、開発したトライボテスターにより、微小荷重域(100〜2000μN)のナノメカニカル試験を実施した。ベルコビッチ型ダイヤモンドチップ(先端半径100nm)を用いたナノインデンテーションでは、フォース・ディスプレースメント曲線より超微小荷重の硬さを測定し、レーザー照射でGCに改質した表面層が軟化していることが判明した。さらにマイクロスクラッチ試験では、ダイヤモンドチップ(先端半径1μm)で測定した摩擦係数が、110mWで約0.2、200mWで約0.4となり、未処理で約0.1の摩擦係数がレーザーの照射強度と共に増加することが判明した。また、直線状のナノ構造に平行にスクラッチする方が、直交する場合より約2割小さい摩擦係数を示した。この技術は、マイクロマシン等で摩擦係数を0.1〜0.4で制御した任意サイズの領域を形成したい場合に応用が可能である。 次にボールオンディスク型摩擦摩耗試験機を用いて、実荷重下(10N)での摩擦係数をモニタリングした。その結果、平面状照射に対しては、ナノ構造形成後MoS_2薄膜を複合して被覆することにより、摩擦係数が大幅に低下し、超硬ボールに対しては0.02〜0.04の極めて低い摩擦係数を示すことを見出した。一方、網目状照射によりナノ構造を形成したDLC薄膜は、表面起伏がほとんど変化せずに摩擦係数が大幅に増加することが判明した。従って、実荷重域でも、摩擦係数を広範囲に局部的に制御可能である。
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Research Products
(6 results)