2004 Fiscal Year Annual Research Report
50〜100ミクロン内径の毛細管内面を鏡面加工できる磁気援用研磨技術の開発
Project/Area Number |
16360062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
進村 武男 宇都宮大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30008049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 ひとみ 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (40282595)
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Keywords | 磁気援用加工 / 毛細管 / 希土類磁石 / 内面研磨 / 鏡面仕上げ |
Research Abstract |
毛細管はプラズマ物理学,バイオテクノロジー,マイクロマシン,微細医療機器で多用される.しかし,毛細管内面の面粗さを0.2〜0.3μmRzの鏡面に仕上げる機械加工技術はない.現状は,細管内面を鏡面化した後,細管を引き伸ばしながら毛細管を製作していく方法が取られるため内面は粗面化する.本研究は,磁気を利用した毛細管内面の新しい鏡面仕上げ技術の創出を目的としている.16年度の成果は下記の通りである. 1.毛細管内面の磁気研磨工具及び基礎実験装置の製作 永久磁石と0.1mm径ピアノ線の間の磁力により毛細管内面に加工圧力を発生させる.磁石と毛細管の距離を調節してピアノ線工具の加工圧力が制御できる装置を製作した.研究当初は0.1mmのSUS304微細管を用いて実験したが,研磨材を微細管内部に投入できなかった.そこで,基礎実験として円管の曲率半径を無限大とした平面状工作物(0.1mm厚のSUS304薄板)を用い,ピアノ線工具に振動と前後方向の揺動運動を与えて加工する装置を製作した. 2.基礎実験装置の加工性能の評価と加工機構の考察 ピアノ線工具の軸方向振動数1.1Hz・振幅15mm,前後方向揺動数1Hz・振幅2mm,磁石とピアノ線の間隙2mm,ダイヤモンドペースト(平均粒径0.25μm)を用いた遊離砥粒加工実験を行った結果,研磨量は時間とともに直線的に増加し,面粗さ0.14μmRzを0.09μmRzに改善できることを明らかにした.加工面は梨地面になり,砥粒の転がり運動による加工機構であることを確認した.ピアノ線工具の摩耗問題の解決が今後の課題になることも分かった. 3.永久磁石工具を用いた細管内面の磁気研磨装置の開発 細管モデルに2mm内径の円管を採用し,1〜1.5mm径の永久磁石工具を挿入して内面を精密磁気研磨する新タイプの研磨装置を製作した.外部静磁場により磁石工具に定圧加工力を,変動磁場により磁石工具に振動運動を付与して高周波振動研磨工具の加工効果が得られることが期待される.
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