2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16360063
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Research Institution | Tokyo Istitute of Technology |
Principal Investigator |
吉野 雅彦 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (40201032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅原 徳次 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (70203586)
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Keywords | 超微細加工 / 塑性加工 / 機能表面 / 硬脆材料 / 金属材料 / 臨界加工深さ / 結晶塑性 / 微細構造 |
Research Abstract |
本年度は、硬脆材料の延性脆性遷移挙動について理論的検討を行い、臨界加工深さに及ぼす要因を明らかにした。さらにソーダガラスに金コーティングを施し、超硬合金製ナイフエッジ工具を用い、通電加熱により臨界加工深さを増大させる手法について検討した。この実験により、理論的推察が正しいことを示すと共に、実用的に臨界加工深さを増大させる技術の可能性を示した。一方、シリコンウエハでは超硬合金が変形してしまい、本手法は適用できなかった。 次に単結晶純銅を用い、結晶性材料の変形特性を実験的に検討した。結晶性材料は結晶異方性を有するため結晶方位の影響を受け、さらに塑性変形により結晶方位が変化する。そこでナイフエッジ工具を用いて結晶方位の判っている単結晶純銅試験片に微細押込み加工を行い、その断面をEBSD分析することにより、押込み加工による結晶方位変化を検討した。さらにEBSD分析より得られたオイラー角データより結晶回転軸と回転角を求める手法を開発し、押込み加工による結晶回転の特徴を明らかにした。 また結晶の変形を予測し、変形特性を理論的に明らかにするために、結晶塑性有限要素法による検討を行った。結晶塑性構成式をサブルーチンとしてABAQUSに組み込み、スーパーコンピュータTUBAMEを用い、押込み加工による結晶材料の変形をシミュレートした。 最後に多結晶純銅、アルミニウムなど金属材料に種種の形状の工具を押込み、その押込み痕にNiメッキを施すことにより各種微細形状を作成するプロセスを検討した。すなわち(1)メッキ膜を剥離することにより微細形状を有する金属膜を作成する、(2)メッキ層をポリッシングにより除去し押込み痕に残されたNiと母材の複合材を作成する、(3)母材に埋め込まれたNiを取り出すことにより微小部品を作成する。以上のプロセスが実現可能であることを実験的に示した。
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Research Products
(9 results)