2004 Fiscal Year Annual Research Report
新インクリメンタル成形プロセスを用いたデジタル歯科チタン技工システムの高精度化
Project/Area Number |
16360065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
田中 繁一 静岡大学, 工学部, 助教授 (60197423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 保 静岡大学, 工学部, 教授 (70023322)
早川 邦夫 静岡大学, 工学部, 助教授 (80283399)
今泉 晴樹 静岡大学, 工学部, 教務員 (80303535)
中村 英雄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60172425)
本村 一朗 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60272598)
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Keywords | 塑性加工 / インクリメンタルフォーミング / 板成形 / チタン / 義歯床 / 歯科補綴 / チタン床 / ダイレス成形 |
Research Abstract |
本研究では,インクリメンタルフォーミング技術に基づくデジタル歯科技工システムを提案しそれにより得られる補綴物の高精度化を検討した.とくに本研究では上顎総義歯用の純チタン床を主要な対象物とした.本システムでは,患部の石膏印象などのレーザ非接触形状スキャンなどによりデジタル化した後に歯茎リリーフ部位などを形状モデリングし逐次成形プロセスを実行するために,従来のロストワックス鋳造法で必要であった各工程での型が不要となるとともに不活性雰囲気鋳造法のような特殊な設備と技術が不要となる. 純チタンの成形においてまず問題になるのが潤滑システムであり,従来の潤滑剤と工具素材ではチタンと工具材料の高反応性により焼付やかじりなどのトラブルが発生する.ゆえに,素板の陽極酸化被膜処理を提案しその有効性を検討した.その結果,各種電解液および酸化処理電圧での実験から,電解液の種類による相異は生じなかったが,処理電圧は100V以上でないと被膜が薄く破壊して潤滑膜として機能しなかった.しかし,100V以上であっても摺動傷が特定の領域に局所的かつ再現的に発生したために,その機構を系統的な実験により明らかにした.摺動傷は接線方向の工具送り量と相関があり極小点が存在する.これにより最適な工具送量が設定され良好なバニッシュ面が得られた. 続いて,前方逐次張出し形状された製品がトリミング後にスプリングゴー状態にゆがむ現象を三次元の弾塑性有限要素解析により考察した.その結果,工具の素材表面の摺動により裏面側に引張り塑性ひずみが発生するために工具側に引張り,裏面側に圧縮の応力が残留することを明らかにした. 以上の検討結果に基づき,5軸制御インクリメンタル成形装置を設計し製作した.本装置先端には,素材は挟み込む状態で加工を行う二指工具システムが取り付けられ新加工プロセスを実施する.
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