2004 Fiscal Year Annual Research Report
大粒径浮遊液滴の界面大変形と内部流動挙動に関する研究
Project/Area Number |
16360097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
阿部 豊 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (10241720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 聡 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 研究員 (90360718)
西成 活裕 龍谷大学, 理工学部数理情報学科, 助教授 (40272083)
渡辺 正 日本原子力研究所, 計算科学技術推進センター, 主任研究員 (50391355)
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Keywords | ソリトン理論 / 微分幾何学 / 液滴振動 |
Research Abstract |
静電浮遊ならびに超音波浮遊技術を用いた液滴浮遊実験を行った。静電浮遊実験の結果、浮遊液滴の回転が液滴界面の変形挙動に与える影響を明らかにするとともに、理論ならびに数値解析との比較検討を行い、静電浮遊炉による実験結果が数値シミュレーションによって定性的に予測可能であることを示した。超音波浮遊実験においては、大粒径透明液滴の浮遊実験を行い、大粒径浮遊液滴の界面変形と内部流動を通常重力ならびに微少重力の両環境において評価した。その結果、微少重力環境下においては、より小さな超音波の出力によって、より球形で大型の液滴が浮遊出来る事を示すとともに、重力の有無が内部流動挙動に影響を及ぼす可能性が示された。 浮遊液滴の大変形運動を近似無しで扱える基礎理論式が完成し、その線形解析が完了した。その結果、従来から知られているラムの振動数に一致することが確認された。この基礎式は、近年発達してきたソリトン理論と微分幾何学とを用いたものであり、どのような変形状態でも原理的に記述できる新しい枠組みである。この体系をもとにして、回転効果があるばあいの摂動論も計算し、モードによって周波数補正が異なることが明らかになった。次年度以降はソリトン理論を利用した非線形解析に取り組んでゆく。 浮遊液滴の界面変形と内部流動を多次元的に評価・検討するために、流動を表すナビエストークス方程式と界面の挙動を表す方程式とを連立させ、レベルセット法により数値計算を行う三次元計算コードを作成した。液滴の変形による形状振動を計算したところ、振幅が小さい場合は、振動周期及び減衰は線形理論と一致し、振幅が増加すると振動周期が減少し、実験結果と良く一致することが分かった。
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Research Products
(13 results)