2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16360110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
春山 富義 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (90181031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 敏一 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (20162977)
新冨 孝和 高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 名誉教授 (10016082)
李 瑞 住友重機械工業(株), クライオユニットセンター技術部, 主任研究員
幾島 悠喜 住友重機械工業(株), クライオユニットセンター技術部, 研究員
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Keywords | ナノレベル低振動 / パルス管冷凍機 / 振動相殺 / 逆位相圧力 / 低温発生 |
Research Abstract |
相殺型冷凍管として、1本(基本データ取得用)、2組相殺機(薄肉管4本:1セット=パルス管+蓄冷管各1本ずつ)、3組相殺機(薄肉管6本)の実験用装置を製作した。管内にかかる圧力振動による管の伸縮が大きくなるように肉厚0.25mm、内径20mm、長さ200mmの薄肉管を用いた。1本管で、管の伸縮の基本データを取得した。試作した多相波発生装置(コンピュータと電磁弁で構成、最高で3セット(6本)の相殺モード試験可)とヘリウムガス圧縮機、高感度変位センサー、圧力センサー等を具備した実験装置を製作、この装置に同じ圧縮機から180度位相がずれた圧力波をかけることによって管の伸縮が相殺できることを示した。 まず同寸法の2組4本の薄肉管のセットを用い、測定では、低温端(コールドヘッド)に相当する部分に光反射板をとりつけ、光センサーと高感度触針計によって低温端変位を検出した。2組相殺機では、1本管の場合に比べ振動がほぼ1/10に低減されることがわかった。実験ではガスの切替えを電磁弁で行なっているため、制御信号としては矩形波を出していても、実際には切替え時に大きな圧力スパイクが残ってしまうことや、2本管をつなぐ低温端のガス流路部分の配管抵抗によってガス流に位相差が発生し、相殺が理想的にはならないことなどが判明した。冷凍機として構成する時には、蓄冷器用の管とパルス管とが機械的に同一と見なせることが重要な要件であるが、その条件の探求においてガス流路等も含めて、全体として最適化をする必要があることがわかった。今後、実際に冷却が可能な装置として組上げ、小型パルス管冷凍機低温端(冷却先端部)の振動をナノレベル(10^<-8>〜10^<-9>m>に低減化する技術として確立していく予定である。
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Research Products
(3 results)