2006 Fiscal Year Annual Research Report
新しいエネルギ消散原理を用いたダンパ(コロイダルダンパ)の開発研究
Project/Area Number |
16360117
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
岩壺 卓三 関西大学, 工学部, 教授 (00031097)
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Keywords | ダンパ / コロイダルダンパ / 疎水性シリカゲル / 水・グリセリン・ホルムアミド / 接触角ヒステリシス / 分子動力学シミュレーション / 静特性・動特性 |
Research Abstract |
コロイダルダンパは従来のダンパとエネルギ消散原理が全く異なるナノテクノロジー技術を用いるもので、消散エネルギは熱に変わることなく、安定した特性となり、また水を用いることから油を嫌う機械などには好都合で、小形から超大形のダンパまで作れる長所がある。本プロジェクトの研究成果として実験的には、(1)コーティング材料の研究では、コーティング材料としてC^6(数字は炭素連鎖数)を使用し、エンドキャッピング(OH)を行うと耐久性がよくなること、(2)多孔質材料では、多孔質材としてシリカゲルの細孔のサイズとコーティングサイズから最適な細孔径を調べたが、使用圧力、ダンパ容量によって変わること、(3)ダンパメカニズムの開発研究では、ダンパメカニズムとして3つの方式を製作・実験の結果、ダブルタイプよりもシングルタイプのダンパの方が、減衰効率が良いこと、(4)コロイグルダンパの耐久性の評価では、シリカゲルの耐久性、コーティングの耐久性が重要であり、現在では10^6回の繰り返しに対してダンパとしての劣化はほとんどなく、耐久性があるとの結果を得た。また理論的には、分子動力学によるシミュレーションでシリカゲル上にコーティングされた直径5nmと7nmの細孔を作り、コーティング材料としてC^4、C^8、C^<18>を用いた時のシミュレーション結果から接触角を求めたところ、実験によって得られた結果とかなりよい一致を見る結果を得た。 次に実用化のためのダンパメカニズムの開発としてシリカゲル粒子がピストン内に入らない新しい構造を考案し、設計、製作し、その特性を調べると共に、シリカゲルと水の最適な割合および2次ピストンの水との比について調べている。さらに自動車用ダンパとして一車輪を模擬した振動モデルを作り、現在実験中であり、これらの成果は本年9月に開催のアジア・パシフィック振動会議で発表の予定である。
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Research Products
(1 results)