2006 Fiscal Year Annual Research Report
微細手術のためのスケール可変型バイラテラルテレオペレーションシステムの開発
Project/Area Number |
16360123
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
横小路 泰義 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30202394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板谷 正紀 京都大学, 医学部, 助手 (70283687)
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Keywords | テレオペレーション / バイラテラル制御 / 微細操作 / 医療手術ロボット / マスタ・スレーブシステム |
Research Abstract |
本年度は,可変スケール型スケールドテレオペレーションのバイラテラル制御のためのコントローラを求めるために,H∞制御理論と線形行列不等式(LMI)を使ってゲインススケジューリングの枠組みを用いるという,基本的な設計手法を確立することができた. まず非線形でかつ時変な特性のオペレータと環境を構造的不確かさとして持つスケールドテレオペレーションにおける安定性の条件としては構造化特異値よりも定数スケール付きH∞ノルムの条件がより適当であることを明確にし,システムの理想応答との近さを規範とするロバスト制御性能を含めた条件を満たすコントローラの設計に際しては,LMI問題に置き換えることで見通しよく解が得られることを示した. さらに,可変スケールというバラメータ依存型の線形時変システムが,スケジューリングバラメータの端点におけるシステムの線形結合で表わされる(Polytopic表現)ことを示し,これによりバラメータ各端点でのLMI条件を連立させることでコントローラの解を得ることを示した.また設計されたコントローラが過度に保守的とならないように,オペレータの動特性に関する先見的知識としてオペレータのインピーダンスの最大値を導入し,さらには各変数に対する重みをスケール比依存とすることで制御系の保守性を低減させる手法を提案した.これら提案したコントローラ設計手法の有効性は数値シミュレーションで確認された. 視覚系に関しては,可変スケール型テレオペレーションのためのカメラ制御手法を幾つか提案し,ユーザーテストを実際に行ってマスタの操作やカメラのズーム操作に関わらず常にスレーブの先端を視野の中央に留める手法が直感的であることが示された. またこれと並行して,医療手術にも有効と思われる,任意の反発係数の衝突を忠実に模擬できる新しいハプティックデバイスの機構を提案し,実際に装置を試作してその有効性を実験的に確認した.
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Research Products
(5 results)