2004 Fiscal Year Annual Research Report
風力発電システムの雷害防止用大気圧プラズマシールド
Project/Area Number |
16360133
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安岡 康一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00272675)
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Keywords | 雷撃 / 風車ブレード / 空間電荷 / インパルス電圧発生装置 / 大気圧プラズマ / 波長可変パルスレーザ / 2次元光学観測 |
Research Abstract |
ウインドファームを構成する1機当たり1MW級の大型風力発電設備では,緊急に解決すべき日本特有の課題として,雷撃による風車ブレードの損傷とその2次被害である電磁誘導による周辺電力機器の損傷がある。本研究では従来の避雷針・避雷塔や避雷シールド線などの受動避雷技術とは異なり,大気圧プラズマによる空間電荷を利用して風車ブレード近傍の電界を制御する方式を提案し,実験的に検証するものである。 初年度の実施事項を以下,具体的に述べる。 1.高電圧パルス発生装置の導入:雷を模擬するパルス波形はピーク電圧400kVの標準インパルス電圧を基準とすし,さらに大容量の雷撃に相当する持続時間の長いパルス電圧の発生も検討した。これらの指針に従って,インパルス電圧発生装置の定格詳細を決定して導入し,内部および外部トリガ信号によって所定のインパルス電圧が得られることを波形観測により確認した。 2.空間電荷形成用プラズマ源の開発:プラズマの発生方法としては,2枚の金属電極で誘電体を挟み込んだ構造の貫通穴型のマイクロホローカソード型電極を使用し,中央の貫通穴に大気圧以上の空気を流入させ,イオン化した後に放出する方法を基本とした。なおマイクロホローカソード電極の穴径は数100マイクロメートルのため,点放射源となりこれを多数個配置する必要がある。このため,広範囲にプラズマを放出できるように電極構造を改良し,合わせて流れ解析を行うことによって,実際にプラズマ流を拡げることができた。 3.波長可変パルスレーザ光によるプラズマ空間分布の計測:空間に放出されたプラズマの電離状態や発生したラジカル分布を計測するため,波長可変パルス色素レーザを導入した。これと既存の紫外光源および2次元光学観測システムを組み合わせることで,空間のOHラジカル分布の計測に成功した。
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