2006 Fiscal Year Annual Research Report
交流におけるイットリウム系高温超伝導線材及び導体のクエンチ伝搬特性と超伝導安定性
Project/Area Number |
16360136
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
雨宮 尚之 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (10222697)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 一人 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助手 (10293177)
|
Keywords | 超伝導 / イットリウム / YBCO / 過電流 / クエンチ / 安定性 / 交流 / 電気機器 |
Research Abstract |
有限要素法を用いてYBCO超伝導線材内でのクエンチ現象をジミュレーションした。第一に、線材幅広面内の電流分布、温度分布の解析を、交流磁界下で交流電流を輸送するモノフィラメント線材とツイストマルチフィラメント線材を対象に行った。ツイストマルチフィラメント線材の電磁界解析プログラムを開発し、第一段階として熱解析は行わず発熱解析(交流損失解析)を行った。その後、電磁界解析と熱解析の連成解析を行い、外部交流磁界によって、線材面内の電流分布は大きく偏るが、温度分布はほとんど一様であることを明らかにした。また、線材をツイストした場合、長手方向で温度上昇する時刻が遅い部分があるが、これは外部磁界と線材面が平行な部分で線材の臨界電流密度が高いためである。次に、第一の結果を踏まえ、幅方向の温度分布は均一であると考え線材厚さ方向の電流分布、温度分布の解析を、交流(ランプアップ)電流を輸送する線材に対して行った。YBCO層から銀保護層への電流の転流現象がシミュレーション可能となった。層間の界面電気抵抗、熱抵抗はあまりクエンチ特性に影響しないこと、線材長手方向の臨界電流分布もあまりクエンチ特性に影響しないことを明らかにした。銀層の厚さはクエンチ特性に大きく影響すると考えられる。 次に、YBCO線材を2本並列接続した導体のクエンチ過程における各線材の発生電圧と電流分布について実験的に調べた。2本の線材のそれぞれ周りに絶縁テープを巻き密着させ、直径50mmのボビンに並列に巻き、小コイルを製作した。この小コイルに、一定の割合で電流値を増加させ通電を行った。クエンチにより片方の線材に抵抗が発生した際、もう片方の線材への電流の転流が確認できた。電流増加率によって電流転流の様子は異なるが、これは、ジュール熱による温度上昇に差があり、2線材の抵抗比の変化に差があったためである。
|
Research Products
(2 results)