2004 Fiscal Year Annual Research Report
室温強磁性・強誘電性共存酸化物の創製と電界誘起磁化製御への展開
Project/Area Number |
16360151
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
五味 学 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (80126276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大里 齊 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (20024333)
安達 信泰 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (90262956)
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Keywords | 強磁性強誘電性共存材料 / ペロブスカイト型酸化物 / 電界誘起磁性 / セラミックスコンポジット |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画に沿って研究を遂行し以下の成果を得た。 1.焼結プロセスの強磁性・強誘電性に与える影響および電界誘起磁化変化に及ぼす影響の探査 以前の研究によりMn,La:BaTiO_3焼結体の強磁性および強誘電性は焼結温度に強く依存し、高温で緻密化するとともに磁性が失われることが既に明らかになっている。この原因となる強磁性の発現機構と焼結性との関連を明らかにするため、全プロセス(Ba,La)(Ti,Mn)O_3組成での焼結に対し、最終焼結をLaMnO_3+BaTiO_3および強磁性相(La,Ba)MnO_3+BaTiO_3で行ったコンポジットを作製し、焼結温度と磁性、誘電性・圧電性および焼結密度との相関を調べた。その結果、 (1)La,Mn:BaTiO_3の強磁性は析出した(La,Ba)MnO_3相に起因し、高温での緻密かとともに組成が均一化して析出相が消失し磁化が著しく減少する、 (2)LaMnO_3+BaTiO_3コンポジット系ではAサイトのBaとLaの交換により強磁性相(LaBa)MnO_3が析出して室温強磁性を生じる、 (3)(La,Ba)MnO_3+BaTiO_3コンポジットは良好な焼結性とともに大きな磁化を持つ強磁性・強誘電性共存材料である、 (4)La,Mn:BaTiO_3、LaMnO_3+BaTiO_3では2KV/mm程度の電界印加により70%に及ぶ巨大な電界誘起磁化変化を示すが、(La,Ba)MnO_3+BaTiO_3では大きな電界誘起磁化変化は観測されない、ことが明らかとなった。 2.BaTiO_3/(LaBa)MnO_3/BaTiO_3薄膜構造における電界誘起磁化変化検証のための作製条件の決定 セラミックスにおいて発現する電界誘起磁化変化の原因を探るため、BaTiO_3セラミックス基板上への(La,Ba)MnO_3多結晶膜の成長および(LaBa)MnO_3/BaTiO_3/SrTiO_3エピタキシャル構造を作製し、その成長条件を決定した。
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