2005 Fiscal Year Annual Research Report
室温強磁性・強誘電性共存酸化物の創製と電界誘起磁化製御への展開
Project/Area Number |
16360151
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
五味 学 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (80126276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大里 齊 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (20024333)
安達 信泰 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (90262956)
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Keywords | 強磁性強誘電性共存材料 / マルチフェロイック / ペロブスカイト型酸化物 / 電界誘起磁性 / セラミックコンポジット / BaTiO_3 |
Research Abstract |
1.強磁性・強誘電性共存複合体における電界誘起磁化変化の機構解明 (1)LaMnO_3-BaTiO_3,(La,Ba)MnO_3-BaTiO_3複合体の微細組織とE-M効果の相関探査 原料の結晶粒径を制御した複合体を作製し、微細組織と磁性、誘電性、電界誘起磁化変化の相関を調べた。その結果、BaTiO_3粒径の減少に対しては誘電特性が急激に劣化するものの、LaMnO_3粒径のみを小さくした場合には、焼結体の密度、誘電特性に大幅な向上が見られた。また、粒径減少と共に、電界誘起磁化変化は急激に増大し、LaMnO_3粒径2μm付近で750V/mm当たり約25%の磁化減少が見られた。これらのことは、誘電特性がE-M効果発現に重要な役割を持つことを示している。 (2)BaTiO_3/LaMnO_3-BaTiO_3複合体/BaTiO_3構造における電界誘起磁化変化の検証 電界誘起磁化変化へのジュール熱効果を調べるため、複合体を強誘電絶縁層で挟んだ構造を作製し、複合体単体と同じ大きさの電界誘起磁化変化を確認した。磁化変化は熱的効果ではなく電界による本質的現象であることを明らかにした。 2.大きな磁化(保磁力)と圧電性を示す新しい強磁性・強誘電性共存材料の探査 (1)Pb(Zr,Ti)O_3-(La,Pb)MnO_3複合セラミックスの作製と強磁性・強誘電性共存条件の探査 10^<-3>オーダーの極めて大きな圧電性を示すPZTを母材としたLaMnO_3との複合体を作製し、(La,Pb)MnO_3相の析出により強磁性を示すと共に大きな誘電率を持つ新たな強磁性・強誘電性共存材料であることを明らかにした。 (2)Fe:BaTiO_3の作製と強磁性・強誘電性共存条件の探査 FeドープBaTiO_3を作製し、1000℃前後の低温焼成により数KOeの大きな保磁力を持つ強磁性相BaFe_<12>O_<19>とBaTiO_3相の共存材料が得られることを明らかにした。
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