2004 Fiscal Year Annual Research Report
半導体量子構造系におけるキャリアー量子捕獲および離脱機構
Project/Area Number |
16360157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤原 賢三 九州工業大学, 工学部, 教授 (90243980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐竹 昭泰 九州工業大学, 工学部, 助手 (90325572)
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Keywords | 量子井戸構成 / 窒化ガリウム系半導体 / 発行ダイオード / InGaN / エレクトロルミネッセンス / キャリアー捕獲 / フォトルミネッサンス / シュタルク電界効果 |
Research Abstract |
GaN系量子井戸発光ダイオードの高効率発光の機構を外部電界効果の実験から明らかにするために、初年度の主要設備であるヘリウム・カドミウムレーザシステムを購入し、2波長光励起フォトルミネッセンス(PL)測定装置の構築を行った。この新たに設置した装置を用いて、電極配線された緑色InGaN単一量子井戸(SQW)発光ダイオード試料を対象として、初期的PLスペクトル強度の外部電界効果の実験を実施した。この実験の結果、異なる励起波長(直接励起および間接励起条件)で光励起されたときのフォトルミネッセンス強度は異なる電界強度依存性を示すことが明らかになった。 本研究課題の主テーマであるキャリアー溜層付加によるInGaN量子井戸ダイオードのエレクトロルミネッセンス(EL)発光強度と量子捕獲改善効果の研究を実施した。キャリアー捕獲の高効率化を積極的に実現する新しい方法として、量子井戸近傍に意図的に人工内部電界を導入して、キャリアー捕獲効率を改善することを狙った研究を行った。このキャリアー捕獲効率の改善効果は電子溜ヘテロInGaN層構造を量子井戸発光層付近に付加した量子井戸LED試料と付加しない試料との直接比較から、EL発光効率の改善が特に同一の注入電流レベルを得るために高バイアス電圧が必要な低温で顕著に現れることを明らかにした。また、キャリアー捕獲効率が劣化する条件下では、キャリアー離脱の結果、主EL発光バンドの短波長側に障壁層内での発光再結合によると考えられるELバンドが生じること、さらに、主発光バンドのEL強度と短波長発光バンドのEL強度は相補的な変化を示し、キャリアー捕獲効率とキャリアー離脱効果の相関関係が存在することを明らかにした。この研究結果の一部は、北京で開催された半導体絶縁体材料国際会議で発表し、査読付き国際会議論文として、印刷中である。その詳細な結果は学術論文として、まとめる予定である。
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[Journal Article] Impact of the forward bias on the radiative recombination efficiency in blue (In,Ga)N/GaN quantum-well diodes with an electron reservoir layer2005
Author(s)
N.Otsuji, Y.Takahashi, A.Satake, K.Fujiwara, J.K.Shue, U.Jahn, H.Kostial, H.T.Grahn
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Journal Title
Proceedings of 13th International Semiconducting and Insulating Materials Conference (Beijing, China, September 20-24, 2004) (印刷中)