2005 Fiscal Year Annual Research Report
半導体量子構造系におけるキャリア-量子捕獲および離脱機構
Project/Area Number |
16360157
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤原 賢三 九州工業大学, 工学部, 教授 (90243980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐竹 昭泰 九州工業大学, 工学部, 助手 (90325572)
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Keywords | 量子井戸構造 / 窒化ガリウム系半導体 / 発光ダイオード / InGaN / エレクトロルミネッセンス / キャリアー捕獲 / フォトルミネッセンス / シュタルク電界効果 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度に実施した実験成果である「キャリアー溜層付加によるInGaN量子井戸ダイオードのエレクトロルミネッセンス(EL)発光強度と量子捕獲改善効果の研究(研究代表者、藤原賢三担当)」および「緑色InGaN単一量子井戸(SQW)発光ダイオードについてのPL外部電界効果の研究(研究分担者、佐竹昭泰担当)」についてのデータを解析し、4件の国際会議およびワークショップで発表するとともに3件の論文としてまとめた。これらの結果から、低温における順バイアス印加電圧の増加は、EL発光効率の低下をもたらすこと、さらに注入キャリアーの捕獲効率の低下とオーバーフローしたキャリアーが発光再結合した結果現れる短波長発光バンドの強度増減についての相関関係を明らかにした。 今年度はさらに主として青色GaN系量子井戸発光ダイオードについて、高効率発光の機構を外部電界効果の実験から明らかにするために、(1)直接励起下での発光再結合量子効率と(2)間接励起条件下でのキャリアー量子捕獲過程を峻別して評価する、異なる励起波長で光励起されたときのフォトルミネッセンス(PL)外部電界効果についての実験を行った。即ち、電極配線された青色InGaN量子井戸(QW)発光ダイオード試料について、電界強度依存性、電界(順・逆)方向依存性、そして光生成キャリアーの励起エネルギー依存性を格子温度の関数として詳細に測定した。その結果、順方向バイアス下では、発光量子効率が最大値を示す外部バイアスが存在すること、それ以上の順バイアス電圧の増加はキャリアー離脱による発光量子効率の低下をもたらすこと、さらに間接励起条件下では、キャリアー離脱効果の顕在化が見られることが明らかになった。次年度は、これらの実験結果を論文としてまとめる予定である。
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