2005 Fiscal Year Annual Research Report
有機界面の制御と有機電子・光デバイスの高速化に関する基礎研究
Project/Area Number |
16360173
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大森 裕 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 教授 (50223970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶井 博武 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00324814)
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Keywords | 有機受光素子 / 有機トランジスター / 有機EL / ドライプロセス / ウェットプロセス / アモルファス材料 / 発光過程 / ポリマー基板 |
Research Abstract |
今年度は、有機電子・光デバイスとして有機受光素子、有機トランジスター、有機EL(electroluminescence)の三種類の素子を中心に検討した。本年度得られた結果の概要は下記に示す。 1.動画信号を受光可能な有機受光素子の実現に向けて正孔輸送性の銅フタロシアニン(CuPc)とペリレン誘導体(BPPC)を用いた積層構造型の有機受光素子をドライプロセスにより作製した。受光層の積層構造を単一ヘテロ構造、多積積層構造、混合層を含むヘテロ構造の3種類作製して比較することにより、混合層を含むヘテロ構造素子が高周波特性に優れ、受光感度も高いことが明らかになった。赤色単色光に対する外部量子効率は約20%に達した。また連続するパルス光に対する遮断周波数は20MHzが得られた。赤色LDにより動画信号を光信号に変換して光ファイバにより送られた信号を有機受光素子で受光して鮮明な動画信号を再現できた。 2.有機トランジスターに関しては、オリゴチオフェンを用いたトランジスターで、ポリアルキルチオフェンと混合することによりウエットプロセスによる成膜が可能となり、基板温度とドメインサイズとの関係、ゲート絶縁膜の種類や膜厚依存性、基板界面の処理条件と移動度との関係を明らかにした。それらの結果を踏まえ、移動度0.1cm2/Vsのトランジスターを作製できた。また、低仕事関数の金属との積層型電極を導入することによりn型の伝導性をもつトランジスターを実現した。 3.有機ELに関しては、特にウェットプロセスで作成可能なスターバスト系のアモルファス材料(TDAPB)をホストに用いて素子作製を行った。電子注入のメカニズムに注目し、Csなどの低仕事関数の金属、それらのフッ化物超薄膜の挿入効果などを検討し、キャリア注入機構と発光過程に関するメカニズムの解明を行った。また、陰極の成膜途中で大気にさらす効果についても検討を行い、多層構造の陰極を用いることにより真空一貫でない金属蒸着装置を用いても遜色のない陰極形成方法を確立した。
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Research Products
(4 results)