2006 Fiscal Year Annual Research Report
有機界面の制御と有機電子・光デバイスの高速化に関する基礎研究
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16360173
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大森 裕 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 教授 (50223970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶井 博武 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (00324814)
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Keywords | 有機EL素子 / 有機受光素子 / 有機トランジスタ / ポリマー電極 / 透明電極 / ドライプロセス / ウエットプロセス / フレキシブル素子 |
Research Abstract |
本年度は有機電子・光デバイスの高速化とフレキシブル素子の実現に向けた検討を行い、下記の成果を得た。 1.有機電子・光デバイスの高速化の検討 有機受光素子の高速化を実現するために、ドライプロセスとウエットプロセスによる素子の作製を行った。ドライプロセスでは赤色に光吸収帯を持つ銅フタロシアニン(CuPc: cupperphthalocyaninc)とし、ペリレン誘導体(BPPC : N, N' -bis (2,5-di-tertbutylphenyl)-3.4,9,10-perylencdicarboximimide)とのヘテロ接合素子を検討した。100MHzに変調された赤色光信号を受光できることを確認し、また動画信号を受光し画像として復調が可能であることを実証した。ウェットプロセスでは有機溶媒に可溶な青色に受光感度を持つポリアルキルフルオレンを主体とする素子を検討した。10MHz程度の光信号を受光できたが、薄膜作製の作製条件を詰めることによりさらに素子特性の向上が期待できる。 有機トランジスタの高速化の鍵を握る移動度の向上にはゲート絶縁膜と有機導電性層との界面が大きく影響することを見出し、ポリマー絶縁膜を中心に検討した。ボリチオフェン系の導電材料を用いたトランジスタにおいてシロキサン系のポリマー絶縁膜とフェノール基との関係を検討し、フェノール基の割合を最適化することにより移動度と電流ON/OFF比の向上が図れることを見出した。また、フラーレン系のn型トランジスタにおいても同様にフェノール基の割合に最適値が存在することを見出し、電極構成により大きく左右されることを見出した。 2.フレキシブル素子の検討 有機EL素子の陽極には透明電極としてindium-tin-oxide (ITO)が用いられているが繰り返し曲げ応力によりひび割れが生じる問題点があり、高分子系の正孔輸送材料に用いられるスルフォン酸poly (3.4-ethylene-dioxythiophene): poly (styrenesulfonate) (PBDOT : PSS)を透明電極に持ちることを検討した。一般的な低分子系のEL素子として発光層8-hydroxquinoline alulninuln (Alq3)、正孔輸送層4.4' -bis [N-(1-napthyl)-N-phenyl-amino]-biphcnyl (α-NPD)をとする素子を作製したところ、ITO電極には見られない不均一の発光パターンを示すことが明らかになった。これを解決する手段として、スターバスト系の材料を塗布法で積層することにより、ITO電極と同様の発光パターンと特性が得られることを見出した。
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Research Products
(7 results)