2006 Fiscal Year Annual Research Report
10nm級ギャップDNAナノテスターの開発とDNA分子素子の探索
Project/Area Number |
16360177
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
橋口 原 香川大学, 工学部, 教授 (70314903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細木 真保 香川大学, 工学部, 助手 (50363180)
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Keywords | DNA / DNAピンセット / セルフヒートエッチング / パラジウムワイヤ |
Research Abstract |
DNAピンセットは、溶液中から直接DNA分子を2つのプローブ間に伸張固定して取り出すことのできるMEMS(微小電気機械システム)ピンセットである。2つのプローブ表面には金属膜が形成されていることから、電気プローブとしても機能し、この機能を利用すれば伸張固定した生体分子の電気計測が直ちに行える。DNA分子に関しては、金属、半導体、絶縁体など諸説があるが、未だはっきりとした特性は明らかにされていない。本研究は、電気伝導に関する多くの特性が報告されている短鎖DNA分子の測定に資するDNAピンセットを供給するため、極めて狭いギャップを有するDNAピンセットを製造する技術を開発することと、DNA分子を利用した電子素子の可能性について研究することを目的としている。中空において極めて狭いギャップを有する構造を作製するには、フォトリソグラフィを利用できないため、選択的なエッチングで、かつエッチングの終点検出ができる必要がある。この条件を満たすエッチング手法として、局所的なジュール加熱を利用するセルフヒートエッチング技術を開発した。この手法は、対向プローブとなるシリコンの中空なくびれ構造を作製しておき、その部分のみ低温のKOH水溶液に挿入する。ここで電流を流すと、抵抗の高いくびれ部分でジュール発熱が選択的に起こり、シリコンのエッチングを促進する。エッチングが進行して構造が離れると電流が流れなくなり、自動的にエッチングが終了する。実際は、構造が離れた後も余熱によりエッチングが進行するので、電流観察によりすばやくエッチング液から取り出す必要がある。この手法で作製したピンセットにより、DNAをベースとした材料の電流電圧特性を測定した。DNAの電流は、バンドルに対しては湿度と関連があることが見出された。またパラジウム粒子を付着させたDNAワイヤの電気特性も明らかになった。
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Research Products
(2 results)