2006 Fiscal Year Annual Research Report
微細薄膜アンテナと共鳴トンネル構造の一体化によるミリ波発振・放射特性の制御
Project/Area Number |
16360178
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
須原 理彦 首都大学東京, 大学院理工学研究科, 助教授 (80251635)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 次徳 首都大学東京, 大学院理工学研究科, 教授 (00117699)
|
Keywords | オンチップ自己補対型アンテナ / 共鳴トンネルダイオード / 高速原子ビームエッチング / テラヘルツ / 三重障壁構造 |
Research Abstract |
今年度の研究成果は以下の通りである。 1.高速原子ビーム(FAB)を用いたドライエッチング技術の確立 化合物半導体共鳴トンネルダイオードのメサ作製プロセスのためのドライエッチング技術として,中性化アルゴン源の実験的評価とエッチング特性の評価を行った。具体的には,ビーム中残留イオンエネルギー分布測定管を装置内に設置し,アルゴンFAB源内部で生成させるプラズマ駆動条件とアルゴン中性化率およびエッチング特性との相関を実験的に明らかにした。その結果中性化率が95%に達していても,残留イオン影響による異常エッチングが生じる可能性を示唆し,極限中性化のための偏向電極付与の必要性を定量的に示した。 2.化合物半導体メサ構造との集積のためのテラヘルツ帯自己補対アンテナの設計と解析 サイズ無限大の場合に周波数無依存アンテナとして動作する自己補対アンテナについて,化合物半導体基板状にオンチップで有限サイズで集積化する形状をモデル化し,メサ構造の違いがテラヘルツ帯の広帯域特性にどのように影響するかを解析した。その結果,メサ構造の非対称性に起因する電流分布の非対称性が放射効率,遠方電磁界形状に敏感に依存することが定量的に明らかになった。 3.三重障壁共鳴トンネルダイオードのスパイスモデル 本研究で独自に検討している三重障壁共鳴トンネルダイオードの電流-電圧特性をモデル化し,スパいるモデルを構築した。実験データとの良好なフィッティングにより,見かけの量子準位幅,および電圧変化に対する量子準位の変化量を示す因子の抽出が可能であることを示し,GaAs系,InP系,SiGe系の三重障壁共鳴トンネルダイオードの実験データを初めて解析し,上記の物理パラメータの評価に成功した
|
Research Products
(9 results)