2006 Fiscal Year Annual Research Report
紙の読みやすさを電子ディスプレイ上で実現するための研究
Project/Area Number |
16360181
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
面谷 信 東海大学, 工学部, 教授 (80297192)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 賢市郎 東海大学, 工学部, 教授 (90056086)
|
Keywords | 電子ペーパー / ペーパーライクディスプレイ / リライタブルペーパー / 電子書籍 / 電子新聞 / 紙 / ディスプレイ / ヒューマンインタフェース |
Research Abstract |
1.電子ペーパーを実現するための表示技術の研究 (1)電気泳動方式、(2)液体マイクロレンズ表示方式、(3)ER流体表示方式の検討を行い下記の成果を得た。 (1)電気泳動表示方式の検討 電気泳動表示における粒子帯電および泳動のメカニズムに関する検討を行い、粒子の駆動力源となる粒子電荷が従来の説明のように支持液体中の残存水分による液中イオンから得られているものではないことを明らかにした。本結果は電気泳動方式における材料選定に関し実用的指針を示唆する。 (2)液体マイクロレンズ表示方式の検討 物質表面の濡れ性を電気的に制御して互いに接する2つの液体の界面曲率制御を行う液体マイクロレンズ表示方式の基本動作確認を行い、コントラスト確保のためのセル構造、液体材料に関する選定指針を示した。 (3)ER流体を用いた表示方式の検討 電界の印加で鎖状クラスタを形成するER流体(電気粘性流体)を用いて表示を行う方式について検討し、新たな電極形状および駆動方式の採用によりコントラストと表示安定性について大幅な向上を確認した。 2.電子ペーパーの満たすべきヒューマンインタフェース条件の検討 今年度は(1)読みやすさに対する表示面光沢の影響調査(2)紙・電子ペーパー・ディスプレイ作業における眼疲労の比較(3)校正作業での一括表示ページ数の影響、について実験検討を行い、次の成果を得た(1)画面光沢の有無は呈示条件の好みに大きく影響し、光沢媒体では手持ちが好まれる傾向が顕著となる実験結果を得た。本結果は電子ペーパーにおいて表面光沢を避ける設計の重要性を示唆する。 (2)近点距離変化と主観評価の結果を総合し、現状の電子書籍(電気泳動方式による市販品)はディスプレイと紙の中間的な疲労程度を示す媒体であると判断される。現状の電子書籍が少なくとも疲労の点では90分程度の連続使用に特段の問題はないレベルに達していることが示された。 (3)一括表示0.5〜4ページの間においてページ数の増加に伴う校正作業成績の向上が確認された。
|
Research Products
(8 results)