2005 Fiscal Year Annual Research Report
光・磁気・ハイブリッド超高密度記録用磁性複合膜(光磁気記録用膜からのアプローチ)
Project/Area Number |
16360182
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
伊藤 彰義 日本大学, 理工学部, 教授 (60059962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 活二 日本大学, 理工学部, 教授 (20221442)
大月 穣 日本大学, 理工学部, 助教授 (80233188)
塚本 新 日本大学, 理工学部, 講師 (30318365)
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Keywords | 微小磁区安定化 / 自己配列極微小孔SiOx薄膜 / FePt微粒子 / 複合膜 / 非線形磁気光学効果 / 光・磁気ハイブリッド記録 / 急速昇温結晶化法 / フェムト秒パルスレーザー |
Research Abstract |
光磁気記録では非晶質で連続な垂直磁化膜が利用され、記録雑音および安定性は磁気記録に比べ有利である。しかし極微小記録では磁壁収縮力が顕著となり不安定になる。この解決のため特に磁壁ピンニングサイトの増加が重要である。このため高い磁気異方性をを持つ微細結晶粒の下地へ積層した交換結合複合膜構造について検討した。本年度の主な研究成果は以下の通りである。 (1)自己配列極微小空孔SiOx薄膜の作製 トリブロック・コポリマーを利用した5nmおよび8nm径の多孔質シリコン下地を作成し、スピン・コート法による作成工程を含み薄膜化について検討した。エタノール希釈により、孔密度を変えず薄膜の厚さをほぼ溶液濃度に比例して薄膜化できることを明らかにした。ただし、低濃度溶液においては、規則性が低下する点が課題となった。 (2)非晶質下地上へのFePt、L1_0、垂直磁化、微小結晶粒膜作製 前年度研究成果で検討課題となった、(a)極微粒子化に伴う(001)優先配向度の低下問題および、(b)FePt粒子密度の増加、に対し、それぞれ、(a)Fe/Pt2層膜形成過程でFe層にCu元素を添加(FePt層全体の十数%程度)することで、急速昇温加熱処理により作成したFeCuPt微粒子の(001)優先配向度を著しく増大できる、(b)Fe/Pt2層膜形成過程で下地としてAuを堆積することで、粒子充填率を増加できる、ことを明らかにした。 (3)FePt微小結晶粒/TbFeCo複合膜構造による微小磁区形成 前年度、極微細FePt粒上へTbFeCo層を積層し、磁性薄膜全体の磁化過程評価からHwの増大効果を明らかにした。本年度は、LLG方程式に基づくマイクロマグネティック・シミュレーションにより、(1)、(2)の成果に基づく具体的な複合膜モデルを作成検討し、複合膜構造とすることで、磁区形成臨界サイズ以下の微小磁区を形成できることを明らかにした。また、下地FePt磁性微粒子と連続膜層の交換結合が磁壁ピンニングの主因となりHw増大に寄与していること、連続膜層による磁区形状の平滑化効果を明らかにした。 (4)非線形磁気光学効果測定装置による界面表面磁化過程評価 フェムト秒パルスレーザーを用いた界面、表面に敏感な非線形磁気光学効果と通常の磁気光学効果の同時測定システムを用い、TbFeCo薄膜の磁気ヒステリシスループの温度依存性の測定に成功。ループ形状の温度依存性に、界面・バルク磁化過程の相違に起因すると考えられる明らかな違いを生じることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)